流れのヒント

[ゆったり道路はいいけれど]
左折車線もスムーズに

街には左折車線が必要なのです。

Contents
>赤い舗装で駐停車禁止をアピール
>左折車線
>>4車線で左折車線>>2車線でも左折車線
>車線は大型用と小型用がある
>>やむをえなく狭い車線>>道路構造令のお墨付き

05.01.16追加

赤い舗装で駐停車禁止をアピール

 最近都内で見かける車道の赤い舗装です。交差点の左側車線に着色され、駐停車禁止を強力にアピールしたもののようです。

駐停車禁止をアピール
赤い舗装

 交差点付近というのはとりわけ駐停車車両が邪魔になる場所です。この表示おかげをみて、駐停車を思いとどまる人も多いことでしょう。

左折車線

 禁止事項を表現したのですから、真っ赤に「ダメ」という表現になるのですが、「こうしましょうよ」という風なポジティブな表現があっても良いと思うのです。「[四車線道路を右往左往]優しい道づくりは おすすめ車線 表示から」で示した「おすすめ車線」もその一例です。

 ポジティブな視点で交差点を眺めてみると、交差点部の車線の役割を細かく決めることで、流れを誘導する例を見かけました。

4車線で左折車線

 ある都市部での交差点。標準で4車線の道路ですが、やけに車線が多く見えます。右折車線のみならず、左折車線も独立して設置されているのです。たくさん車線を詰め込んだせいか、乗用車にとっても少々窮屈な車線幅となっています。

ちょっと窮屈
4車線の交差点

 用地幅が限られる都市部では、直進車線と左折車線は無理して分けないというのがよく見られる光景でした。「常時左折可」や「左折専用信号」を設置のために左折車線を設けることはありました。この代償で直進車線が減らされ、今度は直進車線が渋滞ということもありました。左折車線は「何かを犠牲にして」という先入観がつきまとっているようです。

 しかし都市部では左折車線も右折車線同様に重要なのです。郊外では少ない横断歩道上の歩行者数も、都市部ではなかなか途切れないものなのです。結局左折車も、右折車と同様に信号が赤に変わるわずかな時間のみしか通行できないということになってしまいます。

 そんなわけで少々車線の幅を犠牲にして、左折車線を設けたのでしょう。

2車線でも左折車線

 ここは標準で2車線の道路ですが、左折車線が設けられています。

2車線でも左折車線
2車線の交差点

 2車線の道路(片側1車線)の場合、先に述べた4車線(片側2車線)の場合に比べて、左折車線の必要性は少ないはずなのです。

 図中の赤い車はちょっと右によけて、先行する左折車をかわしたいところ、右側の車線から青の車が突進してくるので出来ないでいます。赤の車は先行車が左折し終わるまでじっと我慢しなければなりません。左折車線があれば、解決する一例です。

4車線道路右側車線の後続車
4車線の場合

 その点、2車線の場合は、左折車が出てくれば右に寄り、右折車が出てくれば左に寄るというふうに、右往左往が可能です。

 しかしあえて左折車線を設けたのは駐停車車両対策だと思うのです。もし直進車線と左折車線をあわせた幅広の車線を設けたとしたら、「余裕があるからいいや」とばかりに、交差点近くにも駐停車車両が居座るでしょう。本当は左折と直進の2車線分確保したいための幅なのに、勝手に「余裕幅」だと解釈してしまうのです。

2車線道路交差点近くの駐車車両
2車線の場合

 「幅広の車線は左折のためだ」と、きちんと示してやることで交差点付近で駐停車することは「左折車線をふさぐ」事であることを認識させる効果があるでしょう。この部分のビルはまだ出来ていませんが、それでも停車する車両は後を絶ちません。そんなときでも交差点を避けて停車する配慮は見せてくれます。左折専用の車線をふさぐのはなかなか勇気がいるものなのです。

車線は大型用と小型用がある

やむをえなく狭い車線

 左折車線は何かを犠牲にしてと書きましたが、実際にはそうでもないのです。

 これらの交差点は、多くの車線を詰め込むために、車線の幅が狭くなっています。道路設計基準である道路構造令では、これらの道路の標準部での車線幅の基本は3mですが交差点部は減速することがあるので25cmから50cm狭くすることは基準ないです。もちろん理想は3mですがやむをえない場合はいいとされているわけです。

 しかし、従来の対応としてそんなに無理をしてまで左折車線を設けるより、直進車線と左折車線を共用とすれば、いいじゃないかという発想でした。

 でも左折車線がないと交通がスムーズに流れないという現状に、やむをえなく幅を狭めるという対応に出たわけです。

道路構造令のお墨付き

 しかし、少し幅を狭めたところで、そんなに問題はありません。上記の写真で白い車は乗用車でも大きめなのですが、ちゃんと車線におさまっています。

 当たり前のことですが、車両の幅はまちまちです。普通の乗用車は2m位、バスやトラックは2.5m位です。車線の幅3mはバスやトラックにあわせたもので、乗用車は少し持て余すところでしょう。

 大抵の道路では乗用車の方がバスやトラックよりも多く、狭い車線でも不都合はありません。たまにバスやトラックがやってきても、その時はほんの少しゆずりあえばすむことでしょう。

 昨年の道路構造令の改正で新たに小型車線の設置が盛り込まれました。大型な車両の乗り入れを禁止して、狭い車線の道路を整備するというものです。小型車専用の道路が設置できる場所は限られるでしょうが、狭い車線の存在を認めたことは画期的でしょう。いままで仕方なしという狭い幅の車線が、「小型車」だから狭い車線も可能となるというポジティブな発想に変わったわけです。

 上記の2車線の交差点は、わざわざ「小型車」車線を使ったものではなく、今までの基準の運用で事足りていると思います。でも「小型車」には「小型車」の車線幅で足りるのだというお墨付きが出たことで、「やむをえない場合」の規程を使いやすくなったのだと思うのです。

(05.01.16追加)

左折専用車線

 左折車線のある箇所は、ビルの工事がおおむね終わり、駐車車両が増えてきています。でも独立した車線の効果は少しあるようで、交差点から2台分くらいはさけて駐車している様です。

(05.09.26)

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