織り込み区間こそ、ファスナー合流は役に立つでしょう。
信号を使わないで複数の路線を連絡する方法に織り込みという方法があります。北と東の2方向から来た路線は交差をせず、西と南に向かうのです。交差はしないけれど、2路線を並行して走る間に車線変更して、目的地に向かうというものです。
息のあった曲芸運転が要求される織り込み
この織り込みという簡単な構造は、交通量が少ないときには機能するのですが、交通量(特に車線変更をする車)が増えると混乱するようになります。
そのことは運転をしていても感じることが出来ます。こちらが右に車線変更したい時に、隣にいる車は左に車線変更したいと思っているのです。衝突を避けるにはこちらが先に行くべきか、向こうに先を譲るべきか。こんなことを瞬時に考えながら運転するなんて曲芸としか言いようがありません。
スタントチームが曲芸運転を可能にしているのは、絶え間ない訓練とお互いに熟知したチームメイトであるから出来ることです、運転技術もなく、赤の他人と息のあった曲芸運転は無理です。
曲芸運転が出来ない私たちは、充分に減速をし、安全を確保することになります。そしてそれは理由はなんであれ「渋滞」です。更に問題なのが、「どこでも車線変更可」となっている構造から、至る所で交通が左右に交錯していることです。
みんな曲芸運転の技術を持ち合わせていない
昔、空いていた頃はスイスイと効率よく利用されていた織り込み区間は、今となっては大きな渋滞の原因です。
その解決策の一つはバイパスルートを増設し、立体交差にするということでしょう。曲芸運転を余儀なくされる部分を立体にするというわけです。
やっぱり立体交差がいい
しかし、お金がかかるのが問題です。例えば首都高速道路箱崎ジャンクションは総工費26億円を投じたとのことです。どこでも巨額な投資をするわけにはいきません。
そこで現実案を考えてみます。
織り込みでは多くの箇所で合流が発生するということが混乱の原因と考えられます。「割り込み」が至るところで発生しているのです。通常の流入路や車線減少でも割り込みは発生しますが、一部の無法者を除けば秩序はあります。ファスナー合流という暗黙のルールが確立しつつあり、混乱を最小限にくい止める仕組みが働いている様に思えます。
しかし、織り込みの場合どこでも車線変更可能という構造的な問題があります。ファスナー合流をしようとしてもどこでそれを行えばいいのか明確な箇所がわかりません。
そこで、ゼブラゾーンで2車線をゆっくりと合流するように絞り込んでみました。一番狭い部分が合流すべき部分です。これで、流れは整理されました。
合流点を1点に絞り込む
しかし、これには安全上問題があります。
次のように改善してみました。
結局流入路と流出路の組み合わせ
本線となる右路線(図面上側)は走行車線としてそのまままっすぐ本線に続くようにしました。左路線(図面下側)は、ゼブラゾーンにより流入路と流出路に分離しました。
こうしてみると、ごく普通のランプになりました。混雑する織り込みは、ゼブラゾーンにより「普通のランプ」に改造するというのが、私の改善策ということになります。
(04.10.11)
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