[ゆったり道路はいいけれど]
身を隠せない中央ゼブラゾーン

中央ゼブラゾーンはまだ発展途上。直進車を避けて、身を隠す場所であることをアピールするような、標示を目指して欲しいのです。

Contents
>すっぽり身を隠すのが中央ゼブラゾーンのいいところ
>中央ゼブラゾーンいろいろ
>>ゼブラのみ>>中央線入り>>黄色い中央線入り>>黄色い縁取り入り
>まず中央線を取り去る方向での統一が第一歩

すっぽり身を隠すのが中央ゼブラゾーンのいいところ

 「[ゆったり道路はいいけれど]中央ゼブラゾーン」で取り上げた「中央ゼブラゾーン」の話です。右折の際に、後ろから来る直進車を避けるためにすっぽり身を隠すのが中央ゼブラゾーンの役割です。海外の先進地では「中央車線」というれっきとした「車線」として認知されているのですが、日本では実験段階だというのか、ゼブラゾーンとなっています。

 「中央車線」であれば「後ろの直進車を避けるために利用しなさい」という風に積極的な意味に理解できるのですが、「中央ゼブラゾーン」といわれると「使いたければ使ってもかまわない」という風に消極的に感じます。もちろん道路管理者や公安当局にとっては、正面衝突事故が発生したときの責任という問題があるのでしょう。また追い越し車線のつもりでゼブラゾーンをずーっと走ってしまう無法者への対策も頭の痛い問題です。少しずつ慣らしていこうという気持ちは分かります。

 そんなわけであいまいな標示で表現することになってしまったのでしょうが、あくまで中央車線という「車線」の制度が目標です。いつまでも利用者側に判断を委ねるゼブラゾーンの濫用は望ましくありません。

中央ゼブラゾーンいろいろ

 ところで中央ゼブラゾーンに使われているゼブラゾーンもよく見ると様々な色や形をしています。「[ゆったり道路はいいけれど]中央ゼブラゾーン」でもいくつか紹介していますが、そのパターンを整理してみます。

ゼブラのみ

 このタイプなら、すっぽり身を隠すことへの抵抗は少ないことでしょう。

すっぽり身を隠す
ゼブラゾーンの図ゼブラのみ

 ちなみにゼブラの間隔を広くしたものもあります。名前も目的もわかりませんが、ゼブラゾーンに入る抵抗を少なくするためのものだと思っています。ただし写真のものは、真ん中に黄色い線が入っているタイプです。

ゼブラの間隔が広い
ゼブラゾーンの写真(間隔の広い例)

中央線入り

 中央線が入ったタイプをよく見かけます。中央線を越えるのはちょっと抵抗があります。すっぽりとゼブラゾーンに入ってしまうことを躊躇する人もいるでしょう。

中央線入り
ゼブラゾーンの図中央線入り

中央線入り
ゼブラゾーンの写真(中央線入り)

黄色い中央線入り

 これは、困ったものです。黄色い中央線では、追い越しのためのはみ出しと同様に、右折待ちの時もはみ出してはいけないと解釈できるでしょう。右折車は、半分直進車の邪魔になりながら停止することになるのです。せっかくの中央ゼブラゾーンも、利点を半分しか生かせないのは残念です。

黄色い中央線入り
ゼブラゾーンの図黄色い線入り

黄色い中央線入り
ゼブラゾーンの写真(黄色い中央線入り)

黄色い縁取り入り

 周りが黄色で囲まれています。これはまさしく「立入り禁止部分」の道路標示です。向こうの方ではご丁寧にポールを立てて、機能としては中央分離帯と同等です。

黄色い縁取り入り
ゼブラゾーンの図黄色い縁取り入り

黄色い縁取り入り
ゼブラゾーンの写真(黄色い縁取り入り)

 右折する時にはたまに設けられているゼブラゾーンの切れ目を利用します。沿道で利用できる間口が増えるたびに、黄色い線を消して破線を入れる工事をしているようです。そんな面倒な工事を繰り返すより、中央ゼブラゾーンとしてどこでも右折できるようにしてしまうのが一番だと思うのです。

まず中央線を取り去る方向での統一が第一歩

 一口に中央ゼブラゾーンといっても色々あることがわかります。過渡期であることから色々あるのでしょうが、運転者が容易にその走行方法を理解できなければなりません。
 たとえば3番目の黄色い中央線の場合が入っている場合。黄色い中央線を越えるのはかなりの抵抗がありますし、実際交通違反になってしまうかもしれません。いっぽうでそのように理解しない運転者が、前方の右折車に「ゼブラゾーンに入れ!」とばかりに、クラクションを鳴らすということもあるかも知れません。

 中央ゼブラゾーンは、直進車の邪魔にならないように右折待ちできる場所ということで、役に立つゾーンです。積極的に活用できるように統一した表示を導入することが望まれます。

中央車線の例
中央車線の例の図

 「導入することが望まれます」なんてことばで終わるのは、無責任な話です。上の絵に描いたようなアメリカのマーキングの規則はどんなことになっているのか調べるくらいはしないといけないでしょう。
 つまり、アメリカの標識令をひもとくということ。
 続編は相当先になりそうです。

(04.08.09)

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