直進車が誤って右折車線に入ってしまわないように設けられたゼブラゾーン。ちょっとくらい踏んでも良いと思っていますが、それを突き進むのには勇気がいります。
右折車線が設けられている箇所を注意深く観察すると、直進車線はいったん左の方向にずれ、それから右折車線が右方向に分岐するという風になっています。この形状は、道路法の規則である道路構造令の解説にも記載されており、運転者が誤って右折車線に入ってしまわないようにという配慮だということです。
右折車線のゼブラゾーン
いったん左方向にずれるというのは、図面に書いてみるといかにも遠回りの様な印象を受けますが、実際の走行ではこのままでもそんなに違和感が無いのが私の印象です。最短距離を辿るとすれば、ゼブラゾーンを踏んでの走行ということになりますが、そこまで急ぐ気にはなりません。
しかし混雑時は異なります。信号待ちをしている直進車線の車両が右折車線への入口をふさいでいる場合は、ゼブラゾーンを踏んで先に進むことでしょう。ただしゼブラゾーンを越えて反対側の車線にはみ出すことは対向車に不安を与えますし、交通違反にもなりかねません。
ゼブラゾーンを踏んで走行
右折車線に関係するゼブラゾーンとして、こんなゼブラゾーンが挙げられます。正式な呼び名がわからないので仮に「右折を予告するゼブラゾーン」と名付けておきましょう。片側2車線(全4車線)の道路において、右側の車線が右折専用となる場合に設置されるゼブラゾーンです。
右折を予告するゼブラゾーン
このゼブラゾーンの役割は、これから先は右折車線になるという予告という意味が強いものでしょう。「このゼブラゾーンを避けて、左側の車線に進路変更した上で、あらためて右折車線に戻る」ような運転はあまりしないでしょう。左側の直進車線が混雑している場合は、後から割り込んで来たように勘違いされて意地悪されてしまいます。
「右折を予告するゼブラゾーン」が、とても長いことがあります。前項での解釈では右折する場合はそのまままっすぐ突っ切れば良いとの解釈でしたが、延々と数百メートルのゼブラゾーンを突っ切るのには勇気がいります。
写真はそんな場所です。片側2車線でやってきて、右側が右折専用となるのです。左後方の側道から別の幹線道路がやってきて合流するために、本線側の直進車線が1本減らされたという次第です。たまにゼブラゾーン上を走行し、右折車線より右折する車を見かけます。おそらく道路を良く知っているのでしょう。普通、全く知らない道路で、これだけ長いゼブラゾーンをまっすぐ突っ切ることはありません。
長いゼブラゾーン(はじめ)
長いゼブラゾーン(おわり)
逆に言うと右折の予告のために、こんなに長い区間のゼブラゾーンしなくても良いと考えるのです。単に予告であれば、「この先右折車線になります」といった標識や「左によれ」の矢印など、もっとわかりやすい方法があるわけです。
左に寄れの矢印
よく考えてみると、このゼブラゾーンは単に右折を予告だけの弱い意味ではなく、立ち入りを禁止するという強いものなのではないかと思うのです。一番右側の車線は一旦閉鎖し、右折車線は本線より分岐する形にする必要があったと思うのです。
そうすれば、左の側道から合流する車両はこの先の右折車線に到達するまでに1回の車線変更のみで済みます。もし本線の右側の車線がそのまま右折車線に変わるような仕組みであれば、短い区間を2回も車線変更することになり、かなり無理を強いる状況になってしまいます。
車線変更を減らす工夫
そんなわけでこのゼブラゾーンは立ち入り禁止という解釈が成り立つと思うのです。そうであれば、もっと強く「立ち入り禁止」であることを示して欲しいものです。例えば前回取り上げた道路標示の「立入り禁止部分」ということで、黄色い縁取りをするというのは一案です。またポールを立ててみるというのもひとつの方法でしょう。
何故、何の工夫もないゼブラゾーンであるのか理由を考えてみました。
等々、いろんな推測ができます。しかし、「ゼブラゾーン=曖昧ゾーン」では事は済みません。立ち入り禁止が前提の車線構成なら、はっきりと意思表示しないと、運転者は混乱してしまいます。
(04.07.26)
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