人の流れに波がある限り、行列はできてしまうのです。行列を短くする努力はうれしいのですが、快適に行列に並べることはもっとうれしいのです。
時たま、図書館の館長さんに苦言を呈すことがあるのです。「貸し出しのためにどこに並べばいいのか?」と。貸し出しカウンターがひとつあります。混んでくると、となりの案内カウンターの端末も活用して行列をさばきますす。問題はその対応が気まぐれなところ。
図書館での貸し出し
気の利いたスーパーだと「先にお並びの方からこちらへ」と、招き入れてくれるのですが、公共の図書館のみなさんは接客に関してはほとんど素人です。そんな気遣いは期待できません。だから、「一体どこに並べば良いんだ」と、声を荒げてしまうのです。そんなわけで皆さん、並ばずにカウンター前にうろうろしています。並んでいるとバカをみるといわんばかりです。モラルの低下なんて、対応する側の無神経さからくることが多いと思う実例です。
気の利いたスーパーの対応
館長さんも問題点は分かっておられます。「たくさんの利用者をさばくのにパニックになっている」と、素人のような悩みをうち明けてくれました。
係員がパニックでは利用者はますますいらいらが募ります。そこで最近はやりの一列並びを提案してみました。床に並び方を表示して、知らぬ間の割り込みを避けるようにというものです。
返事はダメだということでした。明確な理由は聞かせてもらえません。
処理能力を高めるために増員するというのが解決策のようでした。一日のうちで、カウンターが頻繁に混乱するわけではありません。そのための増員という解決策は、経営面では安易すぎるように思えます。
図書館の館長さんが行列の長さを短くするよう努力しているのと同様に、マクドナルドの創始者も行列をつくらないことがお客さんに対するサービスであるとの考えでした。
マクドナルドの創始者は、レストランに並ぶ長い来るあの列を見て、クイックサービスレストランを決意したといいます。厨房と客の距離を短くし、メニューを簡単にスピーディーな対応により行列そのものを短くしようとしたのです。
創業以来のポリシーである迅速な商品の提供をかかげて堅持しているカウンターでの対面販売。客を待たせないという心がけはうれしいのですが、一旦行列が出来始めると大変なのが実状です。
(04.08.09追加)
マクドナルドでもフォーク並びが導入されていました。写真はその床の表示です。これがいらいら解消の特効薬だと思うのです。
フォーク並びの案内
この手の理想は、限界を超えるとコントロールが利かなくなってしまう危険性があります。客の数が少しずつ増えてゆき、さばききれなくなると、そこは混乱が支配する世界です。
私はマクドナルドは大好きなのでちょくちょく足を運びますが、昼時はイヤになってしまいます。ある程度待つのは仕方ないとして、隣の列のすすみ具合がどうしても気になってしまうのです。私の前の客が職場の仲間用にと十人分まとめて持ち帰りということになるとがっくり来ます。こんな気持ちは私だけではないでしょう。待つ時間を短くする努力はうれしいのですが、現に出来てしまった行列に対して、快適さを提供するという視点が是非必要です。
いっそいつも混雑で行列の出来る店の方が良いのです。店員さんは行列の扱いになれていますし、並ぶ方もわきまえています。
行列の出来る店ではこんな情景が展開されることでしょう。
こんな良い流れができるなら、行列も悪くないのでは?
(04.03.22)
この話題に関する情報、ご意見などがありましたら是非お寄せください。
目次