街路樹が無条件に善では無いのです。
車を運転していて交差点を横切ろうとすると、街路樹が視界をさえぎることがあるのです。走行車両が確認できず危険なのです。
交差点の手前なら、なんとか街路樹の隙間から道路を見通すことはできます。
手前なら隙間から見える
しかし、交差点手前の停止位置では、街路樹が重なって道路が見通せません。
停止位置では見えない
危険を承知で少し進むと、ようやく車道が見渡せます。
ここで見えても遅い
もう少し、幹が細ければ良いのですが、毎年この立派な「桜」の開花を楽しみにする人たちがいる限り、街路樹を植え替えようということは言い出せそうにありません。
歩行者にとっても困ったことがあります。枝が伸びすぎていて歩けないことがあるのです。枝を避けながらでは、広い歩道も半分しか利用できません。
枝が伸びすぎ
直接の原因は予算不足でしょう。この道路は人通りが少ないので、剪定の回数を減らしたり、歩道幅の半分が使えなくても良いと判断したのかもしれません。
一方で、予算規模以上に街路樹が多いという見方もできるのです。
車道側がだめだからといって、民有地側に街路樹を寄せるわけに行かないのです。枝は民有地にはみ出してしまうし、それでなくても普段から落ち葉や毛虫が邪魔だと道路管理者には苦情が殺到してしまうのです。
民有地側に寄せる
街路樹が良好な景観と快適な歩行空間を提供してくれることは否定できないのですが、運転者、歩行者や沿道の住民に不満を残してまで設置するのは疑問なのです。
表参道のように歩道の幅が広く、集客が必要なところに重点的にした方が良いと思うのです。
一方、必要なら住民主体で民有地内に街路樹の役割となる木を植えるのも、良いと思うのです。
民有地内に植える
ただし、投資したところで、資産価値の向上が具体的に見えるものではなさそうです。
低木植栽帯は高木の街路樹とペアで設置され、歩道と車道を区分する歩行者の飛び出しや車の泥はねを防止してくれる強い味方です。維持・管理が簡単で、目に見える効果が大きいと思うのです。
植栽帯
緑の確保という観点からは、更にマイナス方向の提案ですが、自転車レーン設置のため、低木植栽帯を狭めることも必要かもしれません。植栽帯は基本的に幅1.5m程度なのですが、これを0.5mまで狭め1.0m分の余裕が捻出されることとなるのです。高木の街路樹を残そうと思うと捻出は困難です。
幅の狭い植栽帯
写真はまだ設置したてのもので、緑が不十分です。これでは泥はねを防ぐことはできません。これからの成長に期待したいところです。
(13.10.07)
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