舗装の仕上げはカラフルに。
生活道路が抜け道になってしまう問題。我が物顔に車が走る中、歩行者は路上に居座る電柱の陰で、やり過ごすという困った状況があります。ただでさえ狭い歩行者空間なのに電柱がさらに追い打ちをかけているわけです。
抜け道対策と主旨は違いますが、国土交通省では「美しい国」を推進していて、電柱は地中に埋めてしまおうと推進しています。しかし電柱の地中化は費用がかかるようで、人通りのはげしい商業地とか幹線道路の方が優先されて、抜け道になった生活道路は後回しにされると思うのです。
テレビ番組で「抜け道」が取り上げられていました。
住民が団結をして、行政に働きかけ、ハンプや狭さくを配置して車を走りにくくするというのが対策でした。すべての道路に対して対策をする予算はないし、対策をしていない所との不公平感が普及の障害というのが行政側のコメントだということ。
車を走りにくくするということは、住んでいる自分たちも不便を被ること。それに対し、そこまでしなくてもという人たちがご近所にもいるわけです。行政側としては住民の対立を生むような提案をわざわざしたくないというのが本音なのだと思うのです。予算とか不公平感もそうですが、道路に工夫をするということが世間で認知されていないのも一因だと思うのです。
上記のコミュニティ・ゾーンのページでもわかるように、抜け道対策の手法は結構確立されているのですが、まだ特別なことという段階なのです。これらをふつうの生活道路にもってくるには、費用準備も住民の心の準備もまだまだなのです。まずは出来ることから普及というのが一番でしょう。
せっかく作るのだから立派なものというのもうなずけます。舗装はレンガのようなブロック、コンクリート製品は自然石風、ところどころ植栽も、となるとコストはうなぎ登りです。これではシンボルロード的な路線に資金を集中投資せざるを得ません。
広く普及させるにはペイントで手っ取り早いでしょう。
すでにスクールゾーンに使われている緑、車に注意を促す赤はよく見かけますが、その他にもいろんな色を見かけるようになりました。
たとえば黄色が、歩行者や自転車に注意を促す役割で使われているのを見かけます。
黄色のペイント
また青色のペイントで注意を促すものも見かけます。赤だと見慣れてしまったからでしょうか。
青色のペイント
いずれ、色々な工夫は一般的になりつつありますので、どんどんカラフルにして欲しいものです。
横暴な車がペイントを無視するかもしれません。車止めもいいでしょう。しかし、安易な車止めの設置は効果が期待できないことを留意すべきでしょう。
コンクリートの基礎に鉄製の車止めは一見頑丈そうに見えますが、車が直撃したら根こそぎなぎ倒されるものです。所詮歩行者を守るだけの力はありません。幹線道路にある無骨なガードレールは、長いプレートがあるから衝突力を分散しているのです。
安全施設という発想でなく、車と歩行者を誘導する誘導施設という発想で考えると、ラバーポールのような、柔軟な材料で出来たポールがいいでしょう。たまにぶつかる車はありますが、鋼鉄製の車止めであっても、同じようになぎ倒すでしょう。
ラバーポールで歩行者空間の確保
利点もあります。緊急自動車がラバーポールをなぎ倒す覚悟があれば、通過することが出来ることです。コストも安い。
なぎ倒されたあと
このようにカラフルなペイントとちょっとした誘導施設で「ゆずりあう道路」を実現して欲しいものです。いまの道路はデコレーションのないデコレーションケーキのようなものだと思うのです。黒い舗装だけでなく、車と人が快適に利用できる飾りを施してはじめて完成といえるのです。
黄色の舗装の使い方
横断歩道に水色の帯
落ち着いた色でいいと思います。
大通りにも青の舗装を発見。
緑も発見。
単に目立てばいいというものではなく、美観も考えるとこうなるのでしょうね。
うす茶色の舗装も発見
歩道の代わりとなる部分に落ち着いた色が使用されています。
(初出06.1.30)(再編集11.03.21)編集前
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