[ゆったり道路はいいけれど]
黄色い縁取りの導流帯

ゼブラゾーンに黄色の縁取りで立入禁止となるのか、規則を読んでもはっきりとわからないのです。

Contents
>ひとこと足りないさし絵の説明
>黄色の線の定義がはっきりしない
>ところ変わればわかりやすい説明があるものです

ひとこと足りないさし絵の説明

 前回取り上げたゼブラゾーンの根拠は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」という内閣府・国土交通省令において定められています。その中で道路上のペイントは「道路標示」と「区画線」と呼ばれます。

 いくつかのしましま模様が規定されていますが、ゼブラゾーンのイメージにぴったりくるのが道路標示の「立ち入り禁止部分(106)」「安全地帯又は路上障害物に接近(208)」「導流帯(208-2)」の3種類と、区画線の「路上障害物の接近(106)」「導流帯(107)」の2種類でしょう。このうち区画線(道路管理者が設置)にあるものは道路標示(公安委員会が設置)と同じ形状をしていますので、ここからは道路標示のみを取り上げます。
 なお道路標示のさし絵は別表六にまとめられています。

「立ち入り禁止部分」のイメージ
路面標示のイメージ図

 「立ち入り禁止部分」と「安全地帯又は路上障害物に接近」、「導流帯」、それぞれどういったものを指すのか何となくわかるのですが、決め手がありません。

 実際には「安全地帯又は路上障害物に接近」と「導流帯」の違いを議論し始めても不毛かもしれません。しかし「立ち入り禁止部分」との違いは知っておかないと、罰則のあるなしほどの違いがあります。

 上記では106とか208-2とかの番号も引用しておきました。この番号の百の位は標示の種類を表しています。百番台は規制標示といって交通違反の罰則があるもので、二百番台は指示標示といって罰則がないものです。ひとくちにゼブラゾーンといっても、罰則があったり、罰則がなかったりです。その違いを認識して運転しないと知らず知らずのうちに交通違反となってしまうかも知れないのです。

  • 黄色の縁取りの色を変えると効力がなくなるのか?
  • 楕円の形を変えると効力がなくなるのか?
  • 導流帯のように自由に変形させることができるのか?

 つまり「導流帯」に黄色の線の縁取りをするだけで「立ち入り禁止部分」となるのかどうなのか。常識で考えろといわれれば、それまでなのですが確証がもてません。巷ではいろんな解釈で設置されたゼブラゾーンが乱立しており、利用者が判断に困るような場面もあるわけです。これについては後日の話題としますが、いずれにしても「なんとなく」というのは困ります。

黄色の線の定義がはっきりしない

 はっきりしないのはどうやら黄色の線の定義だと考えます。黄色の線というのはどんな意味をもっているのかということです。

 いくつかの道路標示において黄色い線が定義されています。たとえば「はみ出し通行禁止」に使う線であったりや「進路変更禁止」に使う線であったりです。しかしそれらはどうやって使うかということの説明であって黄色の正確をきちんと定義してくれていません。

 「図面は設計者の考えをしっかり伝えないといけない」とは、私のBossの談です。図面を見た人が「わかりやすく」理解できなければ、図面が正しいものであっても不十分だというのです。必要があれば文を補う必要があります。

 多くの人は黄色の線が白色の線に較べて直感的に警戒や強い規制のようなものを感じることでしょう。しかし図面を書いた人が本当にそのような意図を持って書いたのか定かではありません。楕円形の見本が示されている「立ち入り禁止部分(106)」は、四角形に変形してはいけないという意図が含まれているのかも知れません。

ところ変わればわかりやすい説明があるものです

 サイト「道路交通関係条約集」で、知ったのですが、道路標示に国際条約があり、日本でもそれに追随するよう法整備を推進していったようなのです。

 ゼブラゾーンもその一環のようです。導入は結構新しいということで、そのことは図面の番号が最後であることからも伺えます。ところが日本に導入するときに、大切な概念を導入し忘れていたようなのです。

 ゼブラゾーンの縁には、

  • 超えてはいけないという線(実線)
  • 越えるべきでないという線(破線)

の2種類があるというのです。

 その国際条約のさし絵によれば、日本で言うところの「導流帯(208-2)」の縁取りに2種類(実線、破線)の線が使われているというのです。

 日本では実線が黄色の線、破線が白色の線に対応するという感じですが、それぞれの線の意味は条文に書いてはいませんから真偽のほどは定かではありません。「図面を見ればわかるだろ」ということであるのかもしれませんが、冗長なくらいにわかりやすい説明が欲しいところなのです。

(04.07.12)

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