流れのヒント

[信頼できる乗車待ち行列]
安心ゾーン率でわかる不安の増加

席取り合戦がし烈になったのは単に座席数が少なくなったのみが原因ではないような気がします。

Contents
>新しい電車の導入で行列の信頼性が低下した
>行列の信頼度を安心ゾーン率で表現する
>>行列の信頼度>>行列の信頼度を表現する指標「安心ゾーン率」>>対象エリア>>レッドゾーン>>イエローゾーン>>安心ゾーン
>座席数の減少以上に低下する行列の安心ゾーン率
>>3扉ボックスシート>>3扉ロングシート>>4扉ロングシート>>4扉ボックスシート
>気持ちを表現する指標の大切さ

新しい電車の導入で行列の信頼性が低下した

 近所の電車がどんどん新型車両に置き換わっています。通勤地獄から解放してくれると言うふれこみです。1両あたりのドア数が増えて乗り降りがスムーズになると同時に、定員が増えて1編成あたり世界最大の輸送量になるのだとか。ドア数が増えたら座席が減り、座席数が減ったら立ち席が増えるというだけのことですが、ものは言い様です。

 もっとも朝夕の殺人的なラッシュを緩和するという観点からはむげに批判はできないのですが、ひとつ大幅に変わったと思うことがあるのです。
 それは、始発駅での乗車待ち行列でのこと。座れない確率が高くなった気がするのです。座席数が減っているのですから確率が低くなるのは当然なのですが、乗車待ち行列で人数を数えて「ここなら座れるだろう」でと思っても、期待はずれなことが多いと言うことなのです。よほど行列の前の方に並ばないとダメという感じなのです。

 古いタイプの電車の場合は、「これは無理だろう」となかばあきらめていたにも関わらず、座れたりする経験が多かっただけに不思議な感じです。

行列の信頼度を安心ゾーン率で表現する

 座れると思って並んでいたのに座れなかったという仕組みを考えてみました。名付けて行列の信頼度を考えてみるです。

行列の信頼度

 乗車待ちの行列を見て、電車の座席数と並んでいる人数を比較すれば座れるかどうか推測がつくものです。行列の信頼度が高いというのは比較的予想通りにいくという場合、行列の信頼度が低いというのは予想通りにいかないことが多いという場合です。なお行列の信頼度とは私が考えた造語で数学とは何も関係ありません。

行列の信頼度を表現する指標「安心ゾーン率」

 行列が信頼できるとかできないとか、雲をつかむような話をしてみても始まりません。なにか数値で表せる指標を示さねばなりません。そこで考えたのが「安心ゾーン率」という私のオリジナル指標です。用意されている座席数に対して、乗車待ちの行列の何人目までが確実に着席できるかどうかを示す指標です。分母は着席できる座席数です。ひとつの扉から着席できる座席数が16席あったとして、行列の前から8人目までは確実に席を確保できるとすると、8/16で50%ということになります。

安心ゾーンの説明
安心ゾーンの説明図

対象エリア

 対象エリアはひとつの扉に対して提供される座席数です。となりの扉からの乗客にとっても同様に対象エリアがありますから、その境界線は重要です。しかしながら、どちらにも属するあいまいなゾーンがあるのが現実で、はっきりとした数が把握できないと言うのが悩みの種です。

レッドゾーン

 対象エリアとの境界線、つまりとなりの扉からの乗客と出会う場所では、激しい席取り合戦が展開されます。このような不確実な座席はレッドゾーンと名付け、行列に並ぶときには最初から座席数から除外すべきです。

イエローゾーン

 となりの扉からの乗客のみならず、自分の行列にも不確実な要素はあります。例えば、行列の左に並んでいる人が車内の右の方に行ってしまう場合です。行列の右に並んでいたあなたはその人のために座れなくなってしまうのです。前方に家族連れとか友人同士がいたら要注意です。その人達は必ず行列を乱します。

 このような不確実な座席をイエローゾーンと名付け、これも座席数から除外した方がいいのです。

 ちなみにイエローゾーンにおける席取り合戦は暗黙の秩序があり、それほど激しいものではありません。並んだ順が明白ですから、後からの乗客が身を引くという事になります。むやみに先に席をとろうなんて大人げない人は「こども」くらいです。ですからこどもが後ろにいたら要注意です。

安心ゾーン

 以上のような不確実な座席除いた座が安心ゾーンです。そして対象エリアの座席数に対する割合が安心ゾーン率です。新しい電車ではこの率が下がるというのには、座席数と座席の構造が大きく関連してきます。車両のタイプ別に比較すればその理由がわかることでしょう。

座席数の減少以上に低下する行列の安心ゾーン率

3扉ボックスシート

 近所を走っている古き良き時代の近郊型電車。1両に扉が3つあり、座席は少々座り心地の悪い2人がけの席が向かい合わせになっています。そのボックス席は扉と扉の間に4つあります。こちらの扉の乗客が2つ、となりの扉の乗客が2つということで、対象エリアの境界線は明確です。ですからこの車両にはうれしいことにレッドゾーンがありません。

3扉ボックスシートの場合
3扉ボックスシートの図

 図に示したとおり、この車両の場合ひとつの扉からは24座席が用意されています。かなり乱暴な決め込みですが、不確実な要素として各ボックスに1席づつ、合計4席がイエローゾーンと判断します。イエローゾーンを除いたが20席が安心ゾーンです。安心ゾーン率は20/24=83%と言うことになります。

3扉ロングシート

 これがロングシートになると様子が変わってきます。ひとつの扉から着席できる座席数は2席少なくなりますが、それ自体は大きな問題ではありません。それ以上に安心ゾーン率の低下が問題です。ロングシートの場合、席取り合戦の戦場「レッドゾーン」が存在し、これが2席。その両隣の4席が「イエローゾーン」で、残る安心ゾーンは16席。安心ゾーン率は16/22=73%という事になります。
 これを見る限り、ボックスシートに較べると行列の信頼性が低下したという事がわかります。

3扉ロングシートの場合
3扉ロングシートの図

4扉ロングシート

 新しく導入された4扉車は、座席数が減ったのは当然のこととして、安心ゾーン率も低下しています。まずは主流のロングシート車。ひとつの扉あたりの座席数が減って、14席になっています。ドアの数が増えたので、1両あたりではそんなに激減でもないのですが、行列の信頼性は更に下がった感じです。

4扉ロングシートの場合
4扉ロングシートの図

 境界の2席が「レッドゾーン」、そしてそのとなり4席が「イエローゾーン」となるでしょう。これだけだと3扉と同じなのですが、残る安心ゾーンはたった8席。結果として安心ゾーン率は8/14=57%に低下するわけです。どおりで予想が外れることが多いはずです。

4扉ボックスシート

 さて4扉車にも数少ないながらボックスシートがあります。定員はロングシートに較べてわずかに多く、ひとつの扉に対して16席というところです。だからといって単純に着席の可能性が高まったわけではありません。逆に安心ゾーン率は低下しているのです。しかもレッドゾーンが拡大しているため、席取り合戦が激化するのです。

4扉ボックスシートの場合
4扉ボックスシートの図

 3扉の場合、ボックス席は扉と扉の間に4つ並んでいましたから、2つずつ分け合うという秩序がありました。しかし、4扉の場合ボックス2つは両方の扉から同じ距離にあるわけです。お互いに「自分の席」だと信じて乗車してきますから、席取り合戦が激しくなってしまうのです。相手の扉からボックス席をねらう4人連れでもいれば、大変です。俊足のひとりがすかさず入ってきて、4席確保して「こっちこっち」と仲間を呼ぶようなことになれば、こちらの扉からの乗車組は惨敗です。安心ゾーン率は8/16=50%ということになります。安心ゾーンに入っていない50%がすべてが「レッドゾーン」ということは、穏やかではありません。

気持ちを表現する指標の大切さ

 想定の決め込み方はかなり乱暴ですが、それぞれ同じような尺度で決めているわけですから、相対的な比較をする上では充分に理解していただけるのではないでしょうか。

 単に座席数とか混雑度とかいった、統計的な数字だけでは表せないのが気持ちの尺度。今回は気持ちを表現する指標を考えてみました。

(04.08.16)

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