テーマパークでは当たり前の細長い行列を、乗車待ち行列で実現して欲しいのです。
安心ゾーン率を算出しながら乗車待ち行列を考えてきました。
※いままでの話を読んでいない方は「[信頼できる乗車待ち行列]安心ゾーン率でわかる不安の増加」を先ずご覧ください。
以上の不安を解消するためには、使用する扉を少なくして細長い行列を作ればいいのです。つまり特急列車の待ち行列(自由席)が理想的です。特急車両は1車両に扉が多くて2箇所。狭い扉からはひとりずつしか入れませんから、行列は細長いものになります。
細長い行列といえば「[流れから見た「点」]テーマパークを歩く」で取り上げた行列を思い出します。テーマパークは客の満足が最大の売りであり、そこでの「快適な行列」が「細長い行列」であるということは心強い限りです。
通勤電車で特急並びを実現しようとすると、各車両の真ん中の扉を閉め切る(例えば3扉車なら中央の1箇所、4扉車なら中央の2箇所など)という方法があります。こうやって実現した特急並びはいろんなメリットがあります。
3扉車の乗車目標と4扉車の乗車目標が乱立して、どこに並べばいいのか迷うことがあるのです。しかし中央の扉を閉め切ると、いつでも並ぶ場所は同じになります。つまり車両の両端の扉のみを使用することになるのです。行列をつくる場所が固定され、迷わなくて大助かりです。
乗車する扉を2扉に限定すると行列の作り方にも蛇行させたりする様なバリエーションが増えます。3扉車とか4扉車だとすぐとなりに隣の扉があるので、まっすぐ以外に行列の作りようがありませんが、2扉だと可能になるのです。
写真は、東海道新幹線の行列案内表示です。階段やエレベータ等を避けて、なんとか整然とした並びを実現しています。
蛇行並び
安心ゾーン率の例を出すまでもなく、みんな細い行列を作りたくなるものなのです。隣の人との順序関係を明確にしておきたいというのが本音の気持ちでしょう。「詰めて3列に並んでください」といわれて、ようやく、しぶしぶ従うことになるのです。蛇行並びが可能になることで、自然な、細い行列が可能になるのです。
扉を一部閉めきりにすることで、乗降に時間がかかるという不安があります。
しかし、たくさんの扉が活躍するのは、途中駅であったり、降車と乗車が同時に行われる時です。一旦降車をすませ、車内清掃を行う場合は、関係ありません。車内清掃後、ものの1分で乗車は完了してしまいます。
改造にはお金がかかることです。しかし、冷暖房の効果を向上させるために各車両の1扉のみ開閉する機能をもつ車両は複数の鉄道会社に存在しています。ホームライナーや特急の改札のために一部の扉のみ使用することも多くの列車に見かけます。技術的には実用化済みというわけです。
ハイテク化が進んだ今の電車では、使用する扉を選択するというのは織り込み済みの機能のような気がします。ちょっとプログラムを変えるだけで利用が可能になるのではないでしょうか。
「たかが通勤電車にそこまでしなくても」と、言われそうですが、コストや手間を勘案が見合うのであれば、是非実現してもらいたい事なのです。これも習慣になれば、みんなに受け入れられると思うのです。
(04.09.27)
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