インターチェンジの開放が地域の活性化に貢献するはずなのですが、サービスエリアはそう簡単に廃止できない?
住んでいる関東から帰省先の大阪までのんびり7時間ぐらい。浜松あたりで食事時間となります。一旦高速道路を降りると料金が割高になるので、浜名湖サービスエリアあたりで食事をとることになります。選択の余地の無いサービスエリアのレストランですが、別にきらいではなく、特に豚汁定食がお気に入りです。
アメリカのパーキングエリアの設備はトイレと観光案内所がある程度です。日本で言うサービスエリアにあたるフルサービスの施設は一般的ではありません。
飲食やロードサービスの施設は高速道路を降りたところにあるのです。アメリカの高速道路は、たいてい無料なので、途中下車には抵抗がありません。日本では、駅がまちの顔であることが多いのですが、アメリカでは高速道路の出入り口周辺が「まちの顔」として機能しているようです。
日本のインターチェンジ周辺というと、まちのはずれという印象があります。駅を中心とした市街地形成を目指す、都市計画の影響でしょう。その結果、ホテル街や、工業団地、流通団地など居住地と離しておきたい施設が立地するようになります。
アメリカでは、食事や給油だけの車も高速道路を降りてきます。高速道路の入口といえば、運転していて目が回りそうな「トランペット型」のぐねぐね道を通るのが億劫だと言われるかもしれませんが、料金所の無いアメリカの高速道路では単なる出入り口(首都高速のランプみたいなもの)が主流ですから気軽に途中下車できるわけです。
食事時間やガソリン切れなどのタイミングで高速道路を降りてきますから、いなかでも商売が成り立ちます。レストラン、ガソリンスタンドに加えてモーテル(日本でいうビジネスホテル)が数多く立地しており、これらの施設集積は中心市街地より多いぐらいです。
せっかく、潜在的な利用客が高速道路を疾走しているのに、地元に迎え入れられないのは残念なことです。気軽に途中下車できる仕組みが望まれるところです。
ここまでが7年前に書いた内容です。以後の状況として、ETCとハイウェイオアシスが本格的になってきたことがあげられます。
ETCは私が思い描いていたものと違いました。車に乗ったままカードを検知してくれるのですから、本線上で普通に走っていてかってに「ピッ」と料金が差し引かれるものだと思っていました。ところが実際には、ゲートがあって時速20kmに減速しないといけないというもの。スイカなどのIC乗車券がタッチしなければならないのと同じく、中途半端な感じです。
これでは本線上で料金を徴収するわけにもいかず、料金所は残ってしまうのでしょう。
このように料金所は無くならないという事が暗黙の了解になってしまいました。そこで妥協案ともいえる「ハイウェイオアシス」が多く見られるようになりました。
例えば長野県妙高市では、新井パーキングエリアに道の駅が併設されています。
店舗
高速道路と一般道のどちらの利用客も見込めるのでにぎわいます。配置図を見ますと、それぞれの駐車場が店舗を挟むようにして配置されています。また右の方には別の施設があり、民間の力も活用されています。
土地の区分
道の駅という特性から地域のアピールも充分に出来ています。昼食においしい蕎麦をいただき、途中下車の疑似体験はできました。
このハイウェイオアシスは、料金所を出られないシステムと地元アピールの機会の両立を目指す妥協案と思っているわけですが、別の見方をすると土地利用政策上も優れた妥協案と言えるかもしれません。
先に述べたように、高速道路のインターチェンジは市街地から離れた場所が多く、それらの周辺は市街化を抑制しようと計画されていることが多いわけです。そんな中、地元アピールのために、商業拠点とも言うべき施設を立地させれば、それに誘発されて他にも商業施設が集積してくるものです。これは好ましい状況ではありません。
ハイウェイオアシスの場合、駐車場の位置が決まっていますので、離れた土地では施設の計画をしようがありません。土地利用の影響が少なく、施設を計画できる優れた妙案と言えるかもしれません。
(初出00.01.18)(再編集08.04.21)編集前
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