ETCもカードで「ピッ!」とタッチでいいと思うのです。
料金所で事故が発生しているようです。カードの差込み忘れなどの不具合があって、ゲートが閉まり、急ブレーキをかけたところで後ろから来た車が追突してくるというもの。
前回も取り上げましたが、ETCは私が思い描いていたものと違いました。本線上で普通に走っていてかってに「ピッ」と料金が差し引かれるものだと思っていましたが、実際は料金所はそのまま残るというもの。料金体系や現金利用者のためにも、料金所は残しておくべきだったのでしょう。
一時停止をして利用する料金所の基本的な構造を変えずに、ETC対応にするのには無理があるでしょう。
先行している鉄道の自動改札と比較して考えてみましょう。
あらかじめ気づくこともあるでしょうが、ぶつかることも多いのです。
歩いているときでも、ゲートにぶつかる状態ですから、車の場合はもっと慎重にすべきでしょう。仮に時速20kmに減速して利用したとしても、カードの検出からゲート閉鎖までの時間が短い気がします。実際には後ろの車が気になって、もっと速度を出さざるを得ない状況ですから、危険な状態です。
高速道路会社では遅まきながら、「事前の警告」を導入するとのことです。突然だめだと言われても車は急に止まれないのですから、信号に黄色表示があるように、当然の機能だと思います。
もともと一時停止して、通過の許可が出て始めてゲートが開くというのが料金所のゲート位置です。ですから通過が前提で、だめなときのみ閉鎖するというのは、やり方が逆だと思うのです。
時速20kmに速度を下げたときだけ、始めてゲートが開くようにすれば良いでしょう。、心ないドライバーも、速度を下げなければならないものだとあきらめるでしょう。
高速道路会社では、ゲートを上げ下げするタイミングを変える試みをしているようですが、そういう意地悪をしてみても突破する人はするし、一般の利用者は更に怖い思いをするということで、効果は低いと思うのです。
アメリカのニューヨーク州では、E−ZPassというシステムがETC登場の前から実用化されていました。もう20年近く前のことですが、そのシステムを体験しました。
カードをもっていない旅行者の私は私は料金所についたとき(ここでは本線上にありました)、1列だけ空いている(というより全く車がいない)レーンを発見し、そこに向かいました。そのブースには料金徴収係がいないのです。きょろきょろしていると私の後ろにはどんどん車が増えてきて長蛇の列ができています。横の方から太っちょのおじさんが血相を変えて「あっちいけ」と言っています。よくわからないまま通り過ぎましたが、それがE−ZPassであったことに気づいたのは次の料金所でした。
もし閉鎖バーで通せんぼされていたら、大変なところでした。アメリカのおおらかさに助けられました。
日本では追突事故が頻発しているようですから、ゲートを開けっ放しにするのがもっとも即効性のある安全策だと思うわけです。
ETCを素直に歓迎できないのは、車載機、カードなど大がかりな設備投資が前提となっているからだと思うのです。目的を達成するためにはいくつかの方法がある場合、簡単で効果が高いものが優先されるはずですが、先に「設備投資」ありきの発想ですと、多少無駄があったとしても「車載機」が前提となってしまうわけです。
アメリカのおおらかさは、「無人コイン専用レーン」というおもしろい改札機を作っています。料金所には巨大なすり鉢状の料金箱があり、車の中からコインを「投げ入れる」というものです。単純な料金体系だからできることですが、車列は結構スムーズに流れています。ハイテクばかりでなく、ローテクにもヒントありです。
ここで、解決案を考えました。
半分ハイテクで、半分ローテク。料金所は若干混雑するかもしれません。しかしETC導入で現在料金所の混雑が緩和されたというのを鵜呑みにはできません。もしかすると、
というだけかもしれません。
車載機の搭載を強要したのに、料金所での一時停止が時速20kmのノロノロ運転に改善されるだけというのはあまり、効果があるようには思えません。カードタッチ案で充分だと思うのです。
(初出00.01.18)(再編集03.01.18)(再編集08.05.19)編集前
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