便利なところは混んでいるという現実を目のあたりにすれば、余計な迷走も防げるというものです。
高速道路上の案内に「サービスエリアは混雑」の文字が表示されていても、入ってみたくなるものです。緊急を要するトイレ休憩ならなおさらです。
サービスエリア内の駐車場で一番混み合うのは施設のある中央部分です。混んでいるとわかっていても、「もう少し中央に近づこう」と、突き進みたくなります。最初に見つけたところであきらめるのが得策だとわかっていたとしても、誰もが「駐車場の挑戦者(チャレンジャー)」になってしまうのです。
最初は空いていたが
当然の事ながら、中央部分は大混雑しており、その後も空きがないまま駐車場は終わってしまいます。奇特な人は駐車をあきらめて次のサービスエリアを目指します。しかしあきらめきれない人は通路上やゼブラゾーン、そして(数少ない)大型車用駐車ますを占拠してしまうのです。
いっぱいになった
「もう少し」「後ちょっと」といいながら迷走を始めてしまうこの心理は、個人のモラルだけでは片づけられない何かがあると思うのです。駐車場での位置と駐車場の利用率をグラフにしてみました。入り口付近では少し空いていますが、中央部分以降はずっと100%で下がらないままです。
駐車場の挑戦者を生む利用率の分布
このグラフの特徴として、あきらめる地点が明確でないこと、失敗を自覚した後では既に復活の道が閉ざされているということが挙げられるでしょう。「駐車場の挑戦者」という悲劇を生み出さないためには、あきらめる地点が明確で、あきらめた後に空きを探すことができるという敗者復活の仕組みが必要です。前半と後半を分け、前半は便利だけど混雑、後半は不便だけど空いているという風に役割分担を明確にすることが解決策のひとつです。
きっぱりあきらめられる利用率の分布
最初が混むということは、最初の部分に施設があるということです。サービスエリアの配置計画では、入口近くに施設を集約するという事になります。
サービスエリアに限らず、大規模な駐車場を配置する際には、施設に近い方から進入するという配慮があれば迷走する車が少なくなるでしょう。逆行したり、何回も回ったりできるだけに、車の動線が錯綜しがちです。
便利なところを最初に
そこで最初に一番混んだところに誘導しておいて、無用な迷走を防ぐのが得策です。「便利なところはすべて埋まっている」という現実を目の当たりにし、空き探しをスタートすれば、迷いも少ないでしょう。この先どんどん不便になって行くのは確実なのですから。
(04.10.24)
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