実際にはばらばらに並ぶ地番も、土地の台帳上では整然と並んでいます。管理という目的においては、単純明快なすぐれた名付けルールだと思うのです。
内容に間違いがあったので、修正しました。枝番の無い地番を分筆すると分筆後はすべて枝番がつけられるというのが正しいルールです。番号を連続させるルールに感心したばかりで、よく調べず、間違った思い込みで書いてしまいました。このページをみて悩んだ方、申し訳ありません。
土地に新しい番号を名付ける手順を考えてみます。
土地を分筆する場合が代表例でしょう。分筆の場合には枝番をつけるのがルールです。27番地を分筆すると新たに27番地2を追加することになります。分筆順に名付けるものですから、番号を考える苦労はありませんが、実際の土地では位置関係がばらばらになってしまうのが難点です。27番地4を分筆しても27番地4−2ということにならず、27番地9となります。
分筆順だから番号がばらばら
分筆の場合は、もとはひとりが持っていた土地の範囲内ですから、まだ探しやすいのですが、新しく土地を生み出す場合は、とんでもない番号がつくことがあります。その町の最終地番の次という具合です。
とんでもない番号が出現
私にとってなじみのある例で「新しい土地」の名づけとは、土地区画整理事業の「保留地の設定」となるでしょう。作業は新しいシートに地番、地目、地積を記入していくことになるのです。まさに新しい土地を生み出すという新鮮な感動です。
新しく作ったシートは、町ごとにまとめられている登記簿のバインダーのいちばん後ろに綴って登記作業完了です。一番後に追加するだけというごく自然な作業ですが、現地では200番台の土地が集まる地域に、突然500番台が出現するという違和感があるのです。
バインダの最後に綴じる
地番の混乱を解消しようと、ある程度まとまった土地で、町名地番の変更を行うことがあります。上記で挙げた土地区画整理事業も、この絶好の機会に変更作業をすることが多いようです。しかし必ず実施されるものではなく、大きな規模(少なくともひとつの町が形成されるくらい)が必要となる様です。もし実施されれば、土地は順序よく並び、訪問するときも郵便物を配達するときもわかりやすくなります。
町名地番の整理が行われない土地では、住居表示という全く新しい番号体系の導入で、不便さを解消する方法がとられます。番号体系が「2本立て」にするということです。
町名地番の変更は根本的に地番を整理するので、地番だけをを頼りに土地を探すことが容易になりますが、住居表示の実施では地番は混乱したままです。
こんな風に書くと、「町名地番の整理」が根本的な解決策で、「住居表示」が妥協案のように見えますが、必ずしもそうではないと考えます。ひとつの番号にたくさんの機能を持たせるのは混乱のもとなのです。
管理する番号と案内する番号は分けるべきというという考え方は、前回の「図書館での分類」でも取り上げました。図書館の場合、管理のためにはバーコードにつけられた無味乾燥な通し番号、案内のためには本棚単位の荒い分類での案内番号という2本立てが望ましいと思うのです。土地の管理と場所の案内を両立するような番号体系づくりに悩むより、きっぱり2つの番号体系を並存させるほうがすっきりします。
地番を整理した時点で大きなお屋敷や農地であったのに、何らかの事情で分筆をすることはめずらしくありません。分筆順に地番をつけていくうちに地番が混乱するということになるでしょう。
こんな時、住居表示であれば、その場所に応じた番号が振られますから混乱はしません。だからといって地番の付け方も住居表示通りにするというわけにはいきません。土地の分割というのは人が住む単位以上に細分化していくものですから、とても番号が足りなくなってしまうのです。
どんな土地の登記にも対応でき、間違いも減らすためにも、管理する番号の名付けは出来るだけ簡単としたいところです。通し番号的な番号の付け方は、理想とするところでしょう。
(初出04.12.06)(再編集09.07.13)編集前
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