私たちが見えないIDで管理されているのは確実でしょう。
かつて、試験の補助係に従事したことがあり、答案を受験番号順に並べるのに苦労した記憶があります。席順通りに回収するように段取りすれば、番号順に並んでいるはずなのでしょうが、そうもいかず、いつもあいた時間を利用して作業していたものです。
作業は手の届く範囲が役に立つ範囲で、せいぜい10枚が並ぶくらい。それ以上だと歩かねばならず、非効率になるわけです。コンピュータでメモリー容量の様なものです。
最大に並べられる枚数がきまったら、順番に並べるのに王道はなく、百枚の答案なら、十の位毎に十区分し、それぞれ順番にしていくということになります。コンピュータのソートアルゴリズムもいくつかありますが、同じ様なものだということと聞いています。ただし、大か小の判断だけをひたすら繰り返すとのことですが。
パソコンが個人でも扱える様になって、並び替えも瞬時に出来るようになりました。この感動は大切なものです。
エクセルを使えば、クリックひとつでソートできるわけです。ただし、やっていく内にいろいろ下準備が必要だと言うことに気づく事でしょう。
良くあるのが、ソートしたけど、最初の順番に戻したいという希望。そんな時に備えて、一番左(A列)に連番などを入れておけばいいでしょう。調査票など入力の元となる資料にもこの番号を入れておけば、該当する調査票を探すのも簡単です。
もちろん、このIDに「深い意味」はありません。
エクセルA列のID。個人ベースだけでなく、業務用のデータベースにも不可欠なものです。一意(重複がない)数字が各レコードのひと項目に登録されています。同姓同名でも誕生日が同じでも、IDは違うわけです。これがないデータベースはおそらく欠陥ということになるでしょう。
ただし、このID。自分に背番号をつけられている様で気持ちが悪いものです。大抵はシステムの端末でこっそり付与されているものなのですが、知らされてしまうと抵抗があるわけです。
この辺の気持ちについては、コード(新・闘わないプログラマ)のところに書かれています。
うそかほんとかわかりませんが、IDを振る際に、「会長が1番で、社長が2番で……ってな感じでヒラまで順番に番号を振れ」という、会社の役員さんの指示があったとのこと。「たとえば会長が辞めて、いまの社長が会長になったら、こんどはその人を1番にして、それ以降すべてのコードを振りなおし」と、大変なことです。
エクセルでのソートの苦労がわかっていれば、役員さんもこんなことは言わないかも知れませんが、なんとも歯がゆいところです。
たしかに、国民総背番号制は不安があります。でも年金の混乱をみていると背番号制が必要になるのかなと思ったりもします。しかし、その前にやることがあったわけです。
総背番号制の前にやらないといけないこと。それは自己責任の徹底。データベースの内容が正しいかどうか、本人がチェックすることです。なんで今まで年金にはそんなことがなかったのか?というか、調査を依頼すれば、データがちゃんとしていることは教えてくれるのでしょうが、せめて払い込んだ領収書代わりに、いままでの集計が一覧でもらえなかったのか。
この辺は「仕事は完璧のはず」という根拠のない建前が、国民の側にもあるというのも感じるのです。上記の学校でテキストの販売をしていたときのこと。教室の1室を開放して、ちゃんと買えているか確認するコーナーを設けていたのですが、その対応に不満を持った父兄が「ちゃんと責任をもって渡してくれなければ困る!」と苦情を言っているのです。しっかりしてくれと言う主張なのですが、確認したくなければしなければ良いのです。わざわざ親切に確認する場所を提供しても、逆効果です。
もし、間違いが見つかれば、批判を浴びるのは当然ですから、よけいなことをしないのが得策というわけです。
政府が作成した「○○判定ソフト」。条件を入力したら、コースが判定するものですが、実行当初は、その判定基準も明らかにされないブラックボックスだったというのです。基準逃れの対策を講じられない様にというもの。
きっと秘密裏というのが基本なのでしょう。
批判を受けながらも、やり遂げなければなりません。IDを振ることをダメだといわれれば、こっそりやるしかないし、最終確認を客に確認させるなといわれても既成事実としてそういう機会を設けましたとするしかありません。
他の方法があればいいですが、なければずうずうしくやっていくしかありません。
あるいは問題先送りでお客様の要望通りとするか。
そうすると後でしわ寄せが。
(08.01.28)
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