流れのヒント

[番号を決めるのもひと苦労]
「最大4文字」でいいじゃないか

規制緩和といっても、裁量のさじ加減ひとつということなのでしょう。

Contents
>地域名は単なる記号
>>NARITAは認められず>>地域名つぎはぎの歴史
>「原則」とはお上の裁量
>>単なる管理のための記号>>理由は不要

地域名は単なる記号

NARITAは認められず

 ご当地ナンバーがいよいよ登場。規制緩和の声に国土交通省が耳をかたむけたとのこと。ただし成田市が要望していたローマ字の「NARITA」は認められなかったということです。

国土交通省発表の要綱によれば、地域名は

「原則として「漢字」で「2文字」とする。やむを得ない理由があるとして例外を認める場合であっても最大で「4文字」までとし、ローマ字は認めないものとする。」

と、あります。「NARITA」の場合、「漢字」「4文字」という2点で基準外ですから、難しい要望だったのでしょう。

地域名つぎはぎの歴史

 ところでご当地ナンバーの対象である「地域名」を「規制緩和」の対象と呼ぶのは違和感があるのです。地域名というのは「規制」というほど意識的なものではないでしょう。監督官庁が管理のために便宜上つけた記号で、大切なことは管理のしやすさであり、地域の宣伝に役立つかどうかは関係ありません。

 ここで地域名の歴史を辿ってみました。「ナンバープレート情報局」の「ナンバープレートの歴史」(下記リンク参照)にて詳細が掲載されています。

1955年各道府県に1つずつ
この時点では、実にシンプルな考え方です。このままずっと現在に至れば、「ナンバープレートは都道府県ごとに分類されるのだ」とみんなが信じて、地域の宣伝に利用しようなんて思いもよらなかったでしょう。なお留意すべき点は東京が無いという点。東京というところは変則ルールが生まれやすい土地柄ですが、これは要注意です。
1961年「東」追加
つまり東京です。これで変則ルールが無くなり都道府県に1つずつです。ところが・・・。
1962年「品」「足」「練」「多」追加。
前年まではシンプルだったのに。東京は変則ルールに逆戻り。そしてこの時、地域名は単に任意の地域名を指すことが知れ渡ったのです。
1964年「横浜」「相模」「泉」など追加。
これで確実に、地域名は都道府県単位でないことが明らかになりました。そして地域名差別の始まりでもあるのです。新たに追加された地域名は、「運転が荒いとか」「すもうと読めて格好悪い」とか言われてしまうのです。ここから理想の地域名への憧れが始まったと言えるでしょう。
1979年「尾張小牧」登場。
4文字も可能であることがわかり、ワープロではローマ字は半角扱いなので、NARITAナンバーも可能だと期待を膨らませたに違いありません。
1983年「なにわ」登場。
ひらがなも可能であることがわかり、ローマ字も可能だと、NARITAナンバーに期待を膨らませたに違いありません。

「原則」とはお上の裁量

単なる管理のための記号

 監督官庁も困ってしまいます。単に自分の出先機関ごとに名前をつけただけなのに、「規制緩和」しろという要求です。単なる内部で使用する記号なんですから「好きに決めさせてください」というのが本音でしょう。

 しかし本音を言わず、「それでは規制を緩和しましょう」と返答するのが、実にクールです。事務手続きがちょっと面倒になりますが、「規制緩和」で好感度はアップです。

 「規制緩和の声が山を動かした」ことばかりに注目しない方が良いでしょう。当たり障りのない規制緩和を実現しておいて、車検制度の規制緩和はまた今度なんてことかも知れません。

理由は不要

 従来は管理しやすいように好きに地域名をつければ良かったのですが、これからは業務に支障のないように、地域名の付け方のルールを明文化する必要があります。申請者もそれに従う必要があるでしょう。

 そんな状況で登場したのが上記に紹介した要綱なのですが、地域名のルールが腑に落ちません。文字数に対して無頓着だと思うのです。文字数というのは管理するデータベースを作成する必須の条件でしょう。きちんと決めないとナンバープレートを入力する様式に何文字分を確保すればいいのかわかりません。昔は手書きでしたから小さな文字で書けば済むことでしたが、現在では電算処理に使われますから文字数は重要なのです。

 ここでもう一度、地域名の文字数の制限を確認してみましょう。

「ナンバープレートに表示された際に十分視認性が確保されるよう、原則として「漢字」で「2文字」とする。やむを得ない理由があるとして例外を認める場合であっても最大で「4文字」までとし、ローマ字は認めないものとする。」

 さっと読むと確かに「4文字」が上限だと読めますが、理由が視認性の確保なのです。そこで「ローマ字なら見えやすいから6文字くらい良いじゃないか」とNARITAのような期待も出てくるわけです。

 もうひとつ気になるのが、「理由」の必要性です。見えるか見えないかということが問題なのに、4文字する場合には理由が必要だというのです。納得いく理由であれば、見えづらくてもいいことになってしまいます。理由なんて必要ないでしょう。

 「電算処理の関係上4文字まで」とはっきり言ってもらえると、あきらめもつくのです。規制緩和と言いながらも、「勝手にはさせない」という本音がぽろりと見え隠れする要綱でした。

(05.02.14)

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