勝負は電車を降りる前から始まっているのです。
だいぶ乗り慣れたはずの東京の地下鉄なのですが、最近乗り換え駅で右往左往するようになったのです。駅のサインシステムが変更になったことが原因なのに違いありません。
今までは、強い味方がいたのです。
右か左かすぐわかる
こんな乗り換え表示が、柱に貼り付けてあるのです。柱数本に1箇所ですから、電車が止まるまでにちょっと目を凝らせば、この表示が目に入ります。自分が右に行くべきか左に行くべきか、簡単に判断できたのです。
[視線が挙動不審]マイルートで運転に専念では首都高速の運転での「右か左か」の大切さを痛感しています。まずは何よりも、目前にせまった分岐を、右か左かを判断する必要があるのです。
地下鉄でも同様です。降りて左右どちらに行くべきなのかが重要な情報なのです。さもなければ、雑踏でもみくちゃにされてしまいます。
新しいサインシステムで重視したことは、必要なところで必要な情報を伝えることのようです。すべての柱に、駅名が貼り付けられ、私が重宝していた乗り換え表示は撤去されてしまいました。電車で降りる人に必要な情報は「駅名」のみのようです。
そんなに駅名ばかりを強調しなくてもいいと思うのですよ。目的地に不慣れな人は、五感をとぎすまして、車内案内や車内の電光掲示板を確認したうえで、注意深く駅の様子を確認しますから、駅名板はそんなにいりません。
除去された乗り換え表示は、少し奥まったところに配置され、プラットホームに降り立てば、見つけることが出来ます。奥の柱とか、奥の壁とか、天井とかです。いずれも、車内から見るように考えられていない位置です。
しかも、あまりたくさんはありません。情報の洪水にならないようとの配慮でしょう。駅に降りてから、のんびり探しましょうということなのでしょう。
電車内では駅名を確認し、降りたプラットホーム上で乗り換え表示を確認するという2ステップ方式、言葉の上ではすっきりするのですが、何とも腑に落ちません。
地下鉄会社がサインシステムのモデル事例を写真で紹介しています。乗り換え階段を目立つようにして、ホームに降り立てば行くべき方向がひとめでわかるという主旨です。
しかし、実際は乗客が大勢ひしめき合っており、雑踏の中でゆったり見渡すことなんてゆとりはありません。電車から降りたら、乗り換え口の方向がわからないままに、人の波にのまれるわけです。そして途中で反対方向だということに気づき、方向転換する時には、都会の冷たい視線、雑踏にもみくちゃにされてしまうのです。
プラットホームで右往左往する
この駅でも、新しいサインシステムが導入されました。乗り換え表示はまばらです。
新しい乗り換え表示
まばらな乗り換え表示を埋める様にこんなお手製の表示があります。ワープロの打ち出しですが、デザインは野暮ったいものです。新しいサインシステムのまばらさを補う様に、複数張り出されています。
お手製乗り換え表示
要するに乗り換え表示の数が足りないということなのでしょう。電車で降りる人は、降りた瞬間に向かうべき方向の判断をしないといけないのです。このことは結構、重要なニーズだと思うのですよ。
(06.07.17)
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