首都の方向なんて、運転中は関係ないのです。自分の目的地がどちら方向なのかが知りたいのです。
アメリカの高速道路を運転していて気づくのが、路線番号を示す道路標識に付いている方位の表示です。東西南北が表示されていて、うっかり逆方向に走っている時に、役に立つ情報です。
そもそもアメリカの高速道路は方位を示すのには適したネットワークを持っています。正確ではありませんが碁盤の目の様に整然と張り巡らされているのです。
ちなみに路線番号の付け方がとても機能的なので感心します。
路線番号の付け方からして、方位を意識しているのですから、方位の表示は苦ではないでしょう。
都市圏の環状道路でも、ルールは踏襲されています。一周を4区間に分けて、南北の区間があったり、東西の区間があったりです。
上記で紹介した高速道路(インターステートハイウェイ)は、道は国家を支えるということで、大統領が音頭をとった国家戦略で、近年で言う「情報ハイウェイ」の元祖です。かなり計画的なので、路線網は整然としています。
一方、日本で国道にあたる「USハイウェイ」は、自然発生的な路線網です。四方八方に路線が延びているので、明確に東西南北は言えませんが、それでも方位はきちんと示されています。方位があった方が便利だということに違いありません。
方向の表現はこれといった決め手がないのが実際です。東西南北を意識しないで生活することも多いでしょうし、宗教上の聖地の方向が重要視されることもあります。
日本の道路や鉄道は東京が中心になっているようです。支線であっても分岐方向は東京向き。管理する際、東京方面を「上り」、反対方向を「下り」と言っておけば、とりあえず間違いないという事なのでしょう。区別できればA線B線(東京地下鉄の場合はこう呼んでいます)でも問題ありません。逆に今からアメリカ式に東西南北をつけるとしたら、判断に困る路線も数多くあることでしょう。
路線網と日本の首都は簡単には切れない間柄ということはわかりますが、私たちが旅行をする場合、どちらが東京かなんて関係ありません。首都の方向より、自分の目的地の方向がずっと大切なのです。
実際には上り下りだけでは運転しづらいと判断したのか、目的地となる地名は表示されているのです。でも案外混乱を誘うものなのです。
高速道路に乗るときの心構えとして、自分が西にいくのか東に行くのかという方位を先ず思い描くのです。ところが、入口(インターチェンジ)で表示されている案内は「○○方面」。東京とか名古屋とか県庁の所在地クラスの地名です。地名は知っているのですが、自分の行く方向がどちらなのかと問われると、ちょっと悩んでしまうのです。
こんな3段論法が頭の中をぐるぐるですから、「西」とか「東」という方位の情報は不可欠です。慣れてしまえば不自由はなくても、よそから来た人にとっては、方位のみが唯一頼れる道しるべとなるのです。
(05.07.04)
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