[格子状の道]
まちづくり千年の計

まちづくりは時間がかかるものなのです。

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幹線道路と補助幹線道路

 「良好な市街地の形成のための都市計画道路の整備のあり方とその推進方策について」の答申(昭和62年8月12日答申第16号)の解説本を読んでいたのです。

 都市内道路の目標とすべき整備水準について次のように書いてあります。

 幹線道路及び補助幹線道路は、市街地の土地利用形態に適合した整備が必要である。
 住宅市街地における幹線・補助幹線道路の配置形態及び延長密度は次のように考える。幹線道路は、住宅市街地の基本的な構成要素である近隣住区の外郭に位置しその領域を規定するとともに、系統的なネットワークとして近隣住区の範囲を越える自動車交通を円滑に処理する。補助幹線道路は、近隣住区内の主要道路として位置付けられ、その配置は、学校、マーケット、近隣公園などの様々なコミュニティ施設への円滑なアクセスが確保されるよう設定される必要がある。従って、幹線道路を1kmの間隔の格子状に配置するとともに、これと同程度の延長密度で補助幹線道路を幹線道路で囲まれる地区内に配置する必要がある。
 このことから、両者を合わせた延長密度としては1平方kmあたり概ね4km必要である。

 つまり、下の図のようなものを市街地に当てはめるということです。

よく見かける道路ネットワーク概念図
道路パターン

都市計画道路

 この考え方は市町村単位で定められている都市計画道路にも採用されていて、市役所で販売されている都市計画図には、格子状のネットワークの都市計画道路を見かけます。何しろ、都市計画関連の教科書や基準にはどこにもお目見えする考え方で、決して目新しいものではありません。シンプルな考え方が計画の立案に適していたのでしょう。全国に考え方を浸透させるにもできるだけシンプルなのが良かったのでしょう。

 この都市計画道路網はたいてい、壮大な計画です。戦後何十年かたちましたがまだまだ建設途中という市町村が大半です。しかし進捗が遅いのかといわれれば、そうともいえません。格子状ネットワークでは先輩格の京都などは、千年以上もかけて現在の姿です。すでに市街化した箇所での用地買収や移転費を考えると、進捗率が50%なんていうのはなかなか好成績かもしれません。

(06.02.13)

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