[すきまの役割]
樹の陰に商店街

「奥にもデパート」の立川に対し、「樹の陰に商店街」が八王子を象徴しているように思えるのです。

Contents
>駅の比較
>>駅の規模>>北方向の列車>>南方向の列車
>八王子駅の第一印象
>>南口>>北口
>特色ある商店街
>>樹の陰に商店街>>立派な商店街>>特色が生かせない

駅の比較

 前回の奥にもデパートでは、立川には人を集める第一印象があると語りました。「通り道だから」のみならず「何かありそうだ」も重要な要素だと思うのです。

 そもそも、テレビで特集されていた八王子対立川がどんなものなのか、見に行ったのが前回の奥にもデパートの報告だったわけです。今回は八王子の第一印象を感じてみます。

駅の規模

 まず駅に降りたったときの八王子駅はこじんまりした印象です。立川駅が8番線まであるのに対して、八王子駅は6番線までという規模の違いもあるでしょう。

 乗車数は立川駅が15万人あるのに対し八王子は8万人程度で、ここにも差があります。

北方向の列車

 細かい数字を列挙するのも大変なので、列車の本数(昼間のパターンダイヤ)で比較してみます。

 北方向は立川駅の方が潜在的な顧客が多そうです。

八王子駅 立川駅
八高線 2本/1時間×4両編成 青梅線 5本/1時間×10両編成

 八王子の八高線、立川駅の青梅線を比べると列車本数がそもそも違います。青梅方面の乗客は、直通で行ける立川を選ぶことになるのだと思うのです。

南方向の列車

 南方向はいずれの駅からも「首都圏の環状線」が出ています。

八王子駅 立川駅
横浜線 6本/1時間×8両編成 南武線 6本/1時間×6両編成

 こちらは、列車の本数は同じ、横浜線の方が編成数が多いようです。

 ただし、横浜線の途中駅には町田駅があり、デパートに用がある場合、流れていきそうな気がします。あくまで、第一印象ですが。

八王子駅の第一印象

 数値で比較してみましたが、ここでは駅前の第一印象を感じてみるのです。

南口

 南口はのどかな感じです。そもそも大型商業施設は北口に集積していたので、そんなものなのです。

南口はのどか
南口はのどか

 立派なビルが南口に出来ました。低層部にスーパーを備えたマンションです。立派だけれど基本的に地元のための店ということです。

南口の立派なビル
南口の立派なビル

北口

 北口を眺めてみます。南口とは異なり、にぎやかな様子が伺えます。

 左側(西)を眺めるとにぎやかな看板のペンシルビルが立ち並びます。

北口の西方向
北口の西方向

 正面(北)を見ると立派なビルがあります。

北口の北方向
北口の北方向

 右側(東)を眺めるとオフィスビルが並びます。

北口の東方向
北口の東方向

 駅ビルはデパートが撤退したのです。引き続きJRが経営するとのことですから、心配無用です。

駅ビル
駅ビル

特色ある商店街

 八王子の特色は古くからの商店街にありますが、駅前からは印象に残りません。

樹の陰に商店街

 駅前から印象に残らない理由のひとつが大きな樹です。上記、北口の西方向の写真で右端に大きな樹が見えます。この先に商店街があるのです。シンボル的な樹ではあるのですが、商店街を望むためにはじゃまになるのです。

樹がじゃま
樹がじゃま

 少し進むと見えるのです。気づいた場所は駅前広場の真ん中の歩道橋の上で、商店街方向には道が無いので戻るか進むか大きく迂回しなければならないのです。

商店街が見えた
商店街が見えた

立派な商店街

 駅前から見た商店街はこじんまりしていたのですが、正面に立つと立派なゲートなのです。

商店街の正面
商店街の正面

 中は歩行者専用の立派なショッピングモールです。大切なインフラといえるでしょう。是非大切にしていただきたいものです。

歩行者専用
歩行者専用

 地元ならではの店舗もたくさんあります。

まんじゅう店
まんじゅう店

特色が生かせない

 このように見てきますと、立川VS八王子の図式はあまり意味がないような気がします。

  • 立川−「全国ブランド」
  • 八王子−「地元ブランド」

 大規模店舗の強力な集客とと個人商店街の個性が一緒になって相乗効果が期待できるのですが、八王子では商店街が孤立する結果となっているのです。古くからの商店街で力を持っていたことで、駅からの第一印象などは眼中に無かったのだと思われます。

 心配すべきことは、八王子におけるパイの取り合いであると思うのです。今後JRによる駅ビルのリニューアルが完了すれば、人の流れは駅でストップしてしまうでしょう。今でも、商店街の前には大きな「樹」があって、商店街の存在を隠そうとしているのですから。

(12.06.11)

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