ぼけっと運転するのはダメですが、高速道路はのんびりキープレフトで行きたいところです。むやみに右車線への変更を強いることの無いよう案内は慎重にお願いします。
このページは他のページとあわせて再構成しました。内容は2020二車線の混在は要注意、2021車幅減少か車線減少で大違い、2093行列を制するのは一番偉い人のいずれかに移動していることがあります。
結構昔の話ですが、中国自動車道が広島以西まで開通したとき、広島北ジャンクション(JCT)で事故が多発する現象が起こりました。事故の原因は本線と枝線の解釈の違いです。ドライバーが無意識に感じている本線は下関方面(中国縦貫道路という名前で共通ですから)であったのに対し、計画者が誘導しようとした本線が広島方面(交通量ではこちらが多い)であったために起こったことでした。
ドライバーとしては中国自動車道は大阪から下関まで一本道であり、キープレフトでまっすぐ走れば、九州までいけるという思いこみがありました。ですから、途中の案内標識にも注意を払うことはありません。ところが計画者側では、広島市街地に向かう方を本線という解釈をしたのです。そのため、下関に向かう本線車線はあたかも枝線のような扱いを受ける一方、広島北へむかう車線が本線のようにまっすぐのびることになったのです。さらなる悪条件は、地理的に下関は右方向にあるはずなのに、出口のように左方向になってしまっていることからもドライバーはさらに混乱を受けたのだと思います。
山陽自動車道が完成した今なら、広島方向が重要な路線であることは理解できますが、当時は広島北インターチェンジまでしか整備されておらず、これが本線並みの扱いを受けているとは想像しがたいところです。
下関に向かうドライバーが混乱したのと同様、広島下車しようと思ったドライバーも驚いたと思います。左側に広島方面の出口があるものだと思いこん左車線を走っていたところ、右側2車線が広島方面ですと突然言われ、あわてて右に進路変更して事故を起こしたわけです。
案内図の上では、大阪方面から来た中国自動車道は広島北JCTで右に直角に折れ曲がって描かれています。あくまでも本線は、広島方面だということを表現しているのだと思います。しかし、これを見て広島北JCTが特別な構造だと想像するのは大変なことでしょう。
このことは[四車線道路を右往左往]二車線の混在は要注意で取り上げた立体交差での本線と側道の関係と似ているでしょう。
本線+側道
普段は四車線道路なのに、中央の二車線のみ立体交差になるので、本線を進むときは、右側によっておかないといけないのです。
日常でこういった、右往左往を繰り返しているので、慣れていない道では、過剰に反応して不必要な車線変更をしてしまうことがあります。それが、次に取り上げる岡谷JCTです。
中央自動車道の岡谷ジャンクションは長野自動車道との分岐です。長野道への交通量が飛び抜けて多い訳ではないようで、東京方面の本線は2車線そのままで、長野方面に出口のように分岐する構造になっています。広島北JCTとは異なり、長野道は地理的に左方向ですから、ふつうの出口のように左側から分岐する形で特に違和感はありません。ですから、長野道を利用するドライバーだけに「長野道は左側に出口があります」と簡単に案内をするだけで十分だと思うのです。
ところが親切にも何キロも「左車線長野道」、「右車線中央道」の案内が連続し、中央道のドライバーも何か注意しなければならないのか?とよけいなことを考えることになるのです。はじめて中央道を利用するドライバーは左車線は長野道専用だと思い、キープレフトを無視して右車線にうつるのが人情です。追い越し車線を占有してしまい、急ぐ車は左車線をすり抜けて行きます。「左抜き」の横行は危険です。
ところが、実際には左車線は出口専用でなく、左車線は引き続き中央道につながっています。こんなことなら危険な思いをして追い越し車線に移る必要はなかったと反省する次第です。
問題の標識
notoken様のご好意により、写真を利用させていただいています。
安心してキープレフトできるように案内標識をこのように変えていただきたいのです。右側車線の中央道の看板に左斜め下に向かう矢印を追加するのです。そうするだけで左車線は長野道出口専用でなく、中央道のドライバーも利用可能だとわかります。
これは私のオリジナルでなく、米国では当たり前のちょっとした工夫です。
しかし、今では別の標識により、混乱は解消されているようです。
わかりやすい案内
notoken様のご好意により、写真を利用させていただいています。
分岐した後、どっちにカーブするのかもわかるすぐれもの標識です。日本式解決法ということで、納得です。
(初出00.02.21)(再編集03.02.21)(再編集09.01.26)(再編集10.08.09)編集前
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