料金に差をつけると、交通の流れがスムーズになることもあるわけです。
ちょっとした用足しに停車して、混雑する道路の邪魔になってしまうことがあるわけです。道路混雑の原因は、こういうケースが多いと思います。駐車場を整備するだけでなく、「ちょっとした」利用を促すための方策が必要でしょう。コインパーキングの普及で、10分単位の料金が一般的になっていますが、最初の数分は無料としなければ、わざわざ駐車場にとめるという心理的な障壁は取り払われないでしょう。
このアイデアは、特に珍しいものではなく、ネットを探せば結構見つかりました。全国の標準となってくれれば、「ちょっとした」停車が減ってくれることでしょう。
特に自転車は、「ちょっとした」需要が多いので、最初の無料化は効果的でしょう。
「最初は無料」が普及しても、満車ばかりでは駐車場を利用するモチベーションは下がる一方です。便利な箇所は高めの料金として、常に空車があるようにして欲しいものです。その代わり、不便になれば安めの価格設定とする、「理由(わけ)あり」料金とすれば、利用率の偏りも緩和され、利用者も選択の幅が増えると思うのです。
こちらの空港は料金設定がきめ細かく、到着ゲート前の車寄せレーンが一杯になってしまわないように、「ちょっとした」利用者に対する配慮があります。
立体駐車場でもターミナルビルに近いところを「Short term parking」として、1日あたりの料金を高め(27ドル/日)に設定しておいて、その他の部分(17ドル/日)との差別化を図っています。近いところは、「ちょっとした」需要のためにあけておくという設定です。
特筆すべきは1日以上の利用の場合のみに料金差が生じるという点で、短時間利用1時間当たりの料金は変わらない点で、「ちょっとした」利用客は便利な場所にもかかわらず負担増にならない仕組みなのです。
日本では大規模な駐車場といえば、商業施設か公共の駐車場が多く、駐車位置によって料金を変える例はあまり見かけませんが、「ちょっとした」の需要に対応するためにも、便利なところが常に空車であるような料金設定は不可欠でしょう。
シャトルバスを利用する平面駐車場は、遠くに行くほど安くなりますので、予算にあわせて便利さを買うことができるわけです。
羽田空港、成田空港では、敷地内に空港が経営する料金の高い駐車場と離れたところにある割安の民間駐車場に役割分担されていますが、利用者としては最適な探す苦労が大変なので、一元的に管理されていると良いのですが。
客待ちの利用者専用の「Cell Phone Lot」は、タクシープールを一般向けにしたようなもので、無料で利用できます。迎えに来た利用者は、携帯電話での連絡を待ってターミナルに向かうことで、到着ゲート前での停車時間を最低限にすることができます。
(11.01.24)
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