パークアンドライドを普及させるにはグリーン車による「らくらく着席」の後押しが不可欠なのです。
前々回、前回で、パークアンドライドの普及を考えてきました。渋滞緩和とか公共交通の利用促進などと大上段に構えなくとも、条件にあう人は始めています。駅前に予算に見合う月極駐車場があればいいだけのことです。始めない人というのはそれ相応の理由があって、簡単にはパークアンドライドに切り替えてはくれないでしょう。
それでも中には電車であっても座れれば、切り替えようと言う人もいるかも知れません。
前回紹介した、実証実験の現場である浦和美園駅は始発駅で着席通勤可能ですが、帰りはそうもいきません。他の地下鉄も同様、[信頼できる乗車待ち行列]始発駅が減っていくで取り上げましたが、並べば座れる始発駅が減っているのです。混雑は仕方ないとしても、着席の可能性がまったく絶たれてしまっては電車通勤への切り替える気持ちが遠のいてしまいます。
地域によって事情に差はあるでしょうが、大都市周辺においてパークアンドライドの利用者となる人は比較的お金に余裕のある人だと思うのです。自分専用の車を持ち、ガソリン代を払うことが出来る。その上、都心側での駐車料金の支払いが可能となれば、グリーン料金に置き換えることは難しくないでしょう。
電車で座れるならば、混雑した道路を運転したくないという人を呼び込めることになります。
地下鉄(千代田線)に、通勤ライナーがお目見えです。グリーン車の需要はあるということです。相互乗り入れが活発になり、地下鉄イコール短時間乗車という図式は成り立ちません。地下鉄の車両にもグリーン車が必要だと思うのです。1編成あたり1両とか。
指定席でないグリーン車は、座れない場合があります。これはちょっとした不安要素です。お金を出しても結局座れないなんてことになったら、またマイカー通勤に逆戻りになりかねません。
しかし指定席にしたら、予約合戦が激しくなるので、わざと踏み込んでいないのかもしれません。言い出せば切りがない問題なのでしょう。
私はグリーン料金を払って通勤というわけにいきません。グリーン車が増えた代わりに普通車の混雑が増すという事になってしまったら迷惑を感じるでしょうし、グリーン車で座っている人を見てやっかんでみたりもしてしまいます。
たとえグリーン車の導入で、車を利用していた人が電車を利用するようになっても「地球に優しい」とは素直に喜べない複雑な心境なのです。
(06.11.20)
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