水が見えなくても流れはあるものです。
玉川上水の水が流れている区間は散歩道として認知されているところなのですが、下流部は水の流れが見えないということで、散歩のための情報も限られてきます。あまり期待せずに、歩きはじめたところ、変化に富んだ興味深いものでした。過去の遺産を探索する歴史散歩と思えばなかなかおもしろいものです。
今回の案内図
参考サイトにルートの地図へのリンクと書籍を紹介しましたから、どちらかを持参して訪ねてみてはいかがでしょうか?
桜上水駅付近の気になるところ
この辺は幹線道路の歩道をのんびりと歩く、大変退屈な散歩が続くのです。
高速道路下の側道
あまり下調べをしていない私は、この先も続くのかと不安でした。
ボーッと歩いていると、つい見過ごしてしまいそうな茂みが、公園への入り口なのでした。これで単調な歩道ともおさらばです。
緩やかなカーブを伴って大通りから分岐
上水路敷を緩やかにカーブしながらすすむのです。
たまに清流がある
細長い公園が続いていましたが、ふたたび大通り(甲州街道)に合流します。公園にはちょっと狭い中途半端な土地が月極駐車場になっていました。所有者は東京都の出資する第三セクター会社。これから先も時々お目にかかります。迷ったかなと思ったときでも、ここの駐車場を見つけられれば、ルートは正解だとわかります。
たまに駐車場になっている
上水路敷は大通りに合流していきます。狭くなるので駐車場としては不適で、単なる緑地になっています。
緩やかに大通りに合流
しばらく甲州街道を歩きます。単調です。この辺りは、首都高速の永福料金所があるところです。本線のすべての車両が料金を支払うため、ブースを設置するための用地が必要でした。ここには玉川上水路敷があったので、用地が確保できたのでしょう。とにかく水路を見つけると高速道路の用地にしてしまう時代があったようです。
明大前駅付近の気になるところ
甲州街道から分岐します。ここでは墓地と甲州街道の隙間にあるのが上水路敷。道路の敷地か墓地の敷地と思う人も多いでしょう。
また緩やかに大通りから分岐
もう少し進むと大学前となります。最寄り駅が明大前駅の大学です。大学の門の外にある広場が、上水路敷です。待ち合わせなどにちょうど良いスペースとして重宝されているのでしょう。
大学前の広場状「上水路敷」
明大前駅付近を走る京王井の頭線を横断します。横断箇所では導水管がむき出しです。ここは上水路敷が線路の上にあるのです。これも水道橋と呼んでいいのでは。
導水管がむき出し
京王線の上でした
ここも公園になっていて、玉川上水路敷であることを示す標識があります。今までの公園にもあったのですが、落書きがひどくて、判読困難でしたから、ここのを代表で紹介します。
どの公園にもこんな標識が
静かな公園になっている
公園をすぎると水道局の巨大なタンク。一般人は入ることが出来ません。しばし迂回をします。この玉川上水。途中から清流が消えてしまいましたが、流れに沿って歩くことが出来ました。迂回をするのは福生市以来です。
行く先は水道局用地
水道局反対側
水道局を出た上水路敷は、十数メートルの幅を持っているものですから、月極駐車場になっているのです。もちろん管理は例の第三セクター会社です。上水路敷は大通りに近づくにつれ狭くなってきます。駐車場に代わる土地活用方法が駐輪場です。そして雑草しか生えない空き地になって大通りに合流です。
駐輪場で有効活用
大通りに合流
またしばらく甲州街道を歩きます。
代田橋駅から幡ヶ谷駅の気になるところ
ここは京王代田橋駅付近。思ったより先に進んだ場所なのでとまどってしまいました。
ここを探すのが大変
代田橋駅付近からはまた、水路が復活したり、公園があったりで、楽しい散歩道です。
この付近には和田堀給水所という水道局の施設があり、導水管が四方に延びて、各地に上水を供給しています。その一本が写真の様に玉川上水路敷に交差しています。
現役導水管が交差する
散歩道は京王笹塚駅にぶつかります。ルートは鉄道敷にある感じです。よくわからないままに、右に迂回し、しばらく線路に平行に歩き、また右に向かいます。何も予備知識がないと迷ってしまうでしょう。
京王笹塚駅にぶつかる
駅前を右に大回り
ふつうの川のようだったり、公園として利用されたりです。
ふつうの川に見えたり
公園として利用されたり
また迂回を余儀なくされる場所がありました。バス転回所として利用しているため、遊歩道は中断し、歩行者は車道を歩くことになります。
バス転回所として利用
新宿にむかって一直線
このような感じで、清流は無くとも散歩道としては楽しいルートです。公園はバラバラに区が管理しており、駐車場など別の用途で使われているところも多いため、全体をひとつの遊歩道として見てもらえていないところがありますが、歩いてみればひとつの流れとして立派な散歩道だと思うのですよ。
(07.08.13)
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