[バスの流れが見えてきた]
バスターミナルにも名店街

バスの乗換をさびしくしてはいけません。

Contents
>やけに広いバスターミナルです
>>交通の結節点の好立地>>パークアンドライドも充実
>目指せハブターミナル
>>現状は直行便主体>>バスの乗継時間に余裕は必要
>にぎやかな隣接施設とは隔離
>>道の駅が隣接するのに>>トイレ休憩には使えない

やけに広いバスターミナルです

交通の結節点の好立地

 主要な高速道路が分岐する交通の結節点ともいえる立地条件にバスターミナルがあると聞き、ちょっと訪ねてみました。

 高速道路のジャンクションを西側に分岐し、すぐにあるインターチェンジを降りるとバスターミナルです。ジャンクションから至近というのがポイントです。

パークアンドライドも充実

 見たところ駅前広場風。6ケ所の乗り場があります。混雑する様子もなく、若い女性を送りに来た車が、のんびり停まっています。空港に向かうのでしょう。お父さんが大きなトランクを車内から取り出しています。(写真の左)

広いターミナル
全景

 送迎だけでなく、自分で車を運転して来た人のための駐車場も完備しています。パークアンドライドで、楽々高速バス利用です。(写真の右側のゲート)

 高速バスの利用客は自宅から車を利用することが多いようで、バス停の周りの道ばたに車が置かれていることをよく見かけるのですが、ちょっと不安です。駐車料金が必要とはいえ、堂々と、フェンスで囲まれた駐車場を利用できるのは安心です。

目指せハブターミナル

現状は直行便主体

 羽田空港と成田空港が1日何便かと、関西や東北方面の夜行バス。それから市内行きの循環バス。思ったより充実した路線網です。しかしいずれもこの地域始発のバスであって、高速道路を疾走するバスが途中で立ち寄っているというわけではありません。立派なターミナルを持て余し気味というところでしょう。

広い空間を持て余し気味
配置図

バスの乗継時間に余裕は必要

 ここは「ハブターミナル」を目指すのだということです。もともとあった構想なのかはともかく、せっかく立派な施設があるのだからどんどん活用しないともったいないというのは確かです。

 調査によれば100便近く高速バスが運行されているのに、ここには4分の1程度しか停車しないとのこと。これらがみんな立ち寄ってくれれば、「ハブターミナル」としての機能を充分に発揮できるかもしれません。

 ただ、乗り継ぎがうまくできるのは一部の便に限られるでしょう。バスは鉄道に比べると時間が不正確。ここから先に目的地がある場合等は、乗り継ぎの便を待っているなんて悠長なことを言っているより、先を急ぎます。

 利用客は、乗り継ぎ可能な便を探す際、十分な乗り換え時間を見込む必要がありますが、飛行機の乗り継ぎくらいの時間のゆとりが必要でしょう。何十分という時間、飛行機を待つのは相当退屈なので[空港ビルは広すぎる]空港の名店街を真ん中にに取り上げた様に、さまざまな店舗が軒を連ねる名店街が搭乗口の近くにあって欲しいと考えていたのです。

 バスの場合も同様、乗り継ぎは退屈なものですから、名店街というにぎわいが不可欠だと考えるのです。

にぎやかな隣接施設とは隔離

道の駅が隣接するのに

 先ほどの若い女性、送ってくれた家族が帰った後は、ひとりベンチに座っています。その他には市内循環バスを待つ老婦人。バスの出発時刻にはまだ早いのでしょう。バスを待つのはさびしいものです。なにより物騒でもありますよ。

 実はこのバスターミナルに隣接して道の駅があり、名店街がかなりのにぎわいなのです。無料の休憩所もありますし、広場のベンチでのんびり時間を過ごすこともできます。しかし、バスの利用者にとっては、遠くて利用しづらいものなのです。このバスターミナルとの間には駐車場があって、その脇を通って行かなければなりません。この位の距離は、手ぶらの自動車の利用者にとっては大したことの無い距離ですが、大きな荷物を抱えるバス利用者にとっては大変です。しかもバス停の様子が判る範囲にいないとバスが出発してしまわないか不安です。

観覧車のあるにぎわいまでの遠い道のり
道の駅遠景

トイレ休憩には使えない

 道の駅とバスターミナル。2つの機能は2つの施設として分けて配置されたことから不幸は始まっています。

明確に分かれている
平面図

 バスターミナルと道の駅の施設が隣接していれば良かったのですが、駐車場が間を阻んでいて行き来が不便なのです。バスターミナル側でも独自に名店街を整備するということなのかもしれませんが、せっかくの道の駅の施設を生かすことの利点は大きいと思うのです。

  • ターゲットを分散させるのは二重の投資で無駄。バスターミナル単独の需要はそんなに期待できませんし、本数の少ない初期段階ではなおさらです。
  • 通過している高速バスにわざわざ立ち寄ってもらうためには、充実したトイレ休憩というメリットが必要。客が増えてから施設を整備するのでは遅い。高速道路沿線にはサービスエリアという強力なライバルがいる。

 高速バスのトイレ休憩というのは2時間の運行に対して1回くらいの間隔で、サービスエリアの片隅にバスを停車させて行います。たった15分程度のことですが乗客は飲料の購入だけでなく、軽食・みやげと結構お金を落とすものです。

 道の駅の施設自体は、サービスエリアに対抗出来るほどの魅力があると思えるのですが、ターミナルから離れている現状では、時間不足となってしまいます。

 この続きは[こんなはずではなかった交通の結節点]駐車場が主役(1033.html)となっています。

(06.09.25)

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