裏日本が後回しなんていうのは、解せないところです。
引き続き、郵便番号を分析しています。今度は郵便番号の下4けたは有効に使われているのか、郵便番号上3けた「000」〜「999」に対して、何通りの下4けたが割り当てられているかを調べてみました。全部で1000通りもあるので、とりあえずそのベスト10を並べてみたところ、ちょっと気になる特徴が見えました。
番号の上3けた | 所在県 | 合計 | 割合 |
---|---|---|---|
939 | 富山県 | 1392 | 13.9% |
501 | 岐阜県 | 1216 | 12.2% |
959 | 新潟県 | 1157 | 11.6% |
969 | 福島県 | 1031 | 10.3% |
669 | 兵庫県 | 873 | 8.7% |
300 | 茨城県 | 841 | 8.4% |
989 | 宮城県 | 824 | 8.2% |
930 | 富山県 | 808 | 8.1% |
949 | 長野県 | 804 | 8.0% |
039 | 青森県 | 788 | 7.9% |
(04.07.12追加)
郵便番号の最後は099番台の様です。以下のコンテンツは999番台が最後である前提で書かれていますので、推理は間違っていたと言うことになります。
郵便番号は1〜0の順で振られているとの情報をUさんよりMAILにていただきましたので引用させていただきます。
これって実は何の不思議なことでもなかったりします。
結論から言うと、郵便番号は0〜9の順ではなく、1〜0の順に振られているのです。
つまり、大まかには以下の順番で振られており、強引にジャンプしているのは1箇所(沖縄⇒北陸)だけ、また、南東北と北東北はきちんと続いているということになります。
関東甲信→東海→近畿→中国→四国→九州→沖縄⇒北陸→東北→北海道
記憶があやふやなのですが、10年くらい前に観た番組でこのことについて放送していました。
確か、山形県の視聴者からの依頼で
「北海道や沖縄が999なら分かりますが、何で山形が最後なんでしょう?バカにされてるようで納得いかないので調べて下さい!」
というようなものがあって、郵政省かどこかでちゃんと裏づけを取っていた覚えがあるので間違いないはずです。
その視聴者の方も、隣の秋田県が意味的には1000番台と知って納得していたようでした。
なるほど、そうだったのですね。私の仮説はもろくも崩れ去りました。ちょっとした手直し程度では解消しないので、当分の間コンテンツはこのまま置いておきます。ですから読まれる際、混乱の無いようお願いします。
さて、気になったのはベスト10のうち6個が900番台という事。おそらく、郵便番号を000、100、200、とつけていって、900番台になってもまだ沢山残っていたので、無理矢理押し込んだのに違いありません。
そこで、900番台はどんな県が該当するのか、他の都道府県と共に、一覧にしてみました。
最初の1けた | 対応する県名 | 郵便番号数 |
---|---|---|
0 | 岩手県、秋田県、青森県、北海道 | 15997 |
1 | 神奈川県、東京都 | 7280 |
2 | 神奈川県、千葉県、東京都 | 7057 |
3 | 茨城県、群馬県、埼玉県、長野県、栃木県 | 12403 |
4 | 愛知県、三重県、山梨県、静岡県 | 13201 |
5 | 岐阜県、京都府、三重県、滋賀県、大阪府、兵庫県、和歌山県 | 13058 |
6 | 京都府、大阪府、鳥取県、島根県、奈良県、兵庫県、和歌山県 | 19148 |
7 | 愛媛県、岡山県、広島県、香川県、高知県、山口県、徳島県 | 14271 |
8 | 宮崎県、熊本県、佐賀県、鹿児島県、大分県、長崎県、福岡県 | 14163 |
9 | 沖縄県、宮城県、山形県、新潟県、石川県、長野県、富山県、福井県、福島県 | 25697 |
合計 | 142275 |
まず、北海道、北東北から始まって、北から順と思いきや、関東に飛んで、東海、近畿、中国、四国、九州と続き、最後に沖縄。しかし、沖縄と並んで、南東北、北陸が最後に登場。一体なぜなのでしょうか?
いずれにしても、900番台がたくさん残っていたというのは本当で、含まれる県の数は9県と最も多いですし、郵便番号の数も25,697個と他に比べて多いのです。100番台などは東京都と神奈川県のみで郵便番号の数は3分の1以下です。
最も「下4けたが有効につかわれている」939を取り上げてみました。
939で始まる郵便番号は、富山市とその周辺地域です。下表で分かるように郵便番号が3けたの時代から、939-01、939-02、939-03...と4-5けた目をフルにつかってきた様です。
3けた | 7のうち5 | 市郡 | 計 |
---|---|---|---|
939 | 93900 | 富山市 | 1 |
93935 | 富山市 | 1 | |
93980 | 富山市 | 70 | |
93981 | 富山市 | 61 | |
93982 | 富山市 | 39 | |
93901 | 93901 | 羽咋郡 | 1 |
西礪波郡 | 53 | ||
93902 | 93902 | 射水郡 | 33 |
93903 | 93903 | 射水郡 | 95 |
93904 | 93904 | 射水郡 | 16 |
93905 | 93905 | 富山市 | 60 |
93935 | 富山市 | 43 | |
93906 | 93906 | 下新川郡 | 53 |
93907 | 93907 | 下新川郡 | 39 |
93911 | 93911 | 高岡市 | 28 |
93912 | 93912 | 高岡市 | 18 |
93913 | 93913 | 砺波市 | 73 |
93914 | 93914 | 砺波市 | 33 |
93915 | 93915 | 東礪波郡 | 61 |
93916 | 93916 | 西礪波郡 | 52 |
93917 | 西礪波郡 | 37 | |
93917 | 93917 | 西礪波郡 | 4 |
93918 | 93918 | 東礪波郡 | 63 |
93919 | 93919 | 東礪波郡 | 41 |
93921 | 93921 | 上新川郡 | 12 |
婦負郡 | 10 | ||
93922 | 93922 | 上新川郡 | 55 |
93923 | 93923 | 婦負郡 | 60 |
93924 | 婦負郡 | 86 | |
93925 | 93925 | 東礪波郡 | 19 |
93926 | 93926 | 婦負郡 | 45 |
93927 | 93927 | 婦負郡 | 53 |
93935 | 93935 | 富山市 | 1 |
合 計 | 1316 |
後回しにされた広大な9県にたった100通りの900番台を割り当てる。その結果、大量の枝番で処理せざるを得なかったようです。
7けたをフルに役立てている地域というわけですが、裏を返せば後回しにされたのが原因です。そしてこれらの地域が「裏日本」と呼ばれる地域だというのが偶然の一致とは思えないのです。
(06.03.13追加)
かばさんよりゲストブックに郵便番号の由来について情報をいただきました。
確信の持てない噂話ではありますが、郵便番号導入時は鉄道による郵便輸送が主流だったため、全国時刻表の掲載ページで決まった、という話を聞いたことがあります。
確かに、全国の時刻表は東海道本線から始まり、支線を含めながら西下、四国、九州まで行くと上信越から東北、北海道・・・という順なので、あながち嘘ではないのかも。
未確認情報とのことですが、納得するところがあります。
(11.10.31追加)
ほのさんよりゲストブックに情報をいただきました。
僕自身も小学生のころに「郵便番号」に興味を持って地図と首っ引きで調べた経験がありますが、そんなことに興味を持つようなヤツが世の中にはもう二人いたようで、あと一人は慶応大学の藤田弘夫教授(故人)で、「路上の国柄―ゆらぐ『官尊民卑』」という本で、そうした問題に少しだけ触れていました。
ただ、子供のころの理解は、昔は001から始める考え方はなく100番から始めるもので、東京から始めて南へ下り、忘れていた北陸から南東北までいったら番号が足りなくなって、010に戻って、北海道では残りの「00*」までも使ってしまったのかと思っていました。
でもって、上の二桁が人口規模で百万人前後の小さな県のサイズのエリアで、3桁目が「0」の地域が県庁所在地やそのエリアの中心の町になるようで、その視点で東京の郵便番号の区分を調べると、渋谷が「150」で、目黒や世田谷までが「15*」のエリアであるなど、結構うまく分かれていることに感心しました。
上の三桁はいわゆる本局(集配局)を意味して、戦前の旧東京市15区に対応していることにも気づきましたし、おおむね地方の郡のサイズや人口十万人規模に対応していたようですから、とりあえず日本中を千個のエリアに分けるという意味では、順番を別にすれば合理的な区分ではあったと理解していました。
今の7桁の番号は、それぞれの本局エリアをプラス4桁で町名ごとに分けたものでしょうから、仮に富山県の「939」のエリアなどの町名の数がどれも千個以下であれば、6桁で済んでいたはずです。
京都に番号が多いのは、ひと区画ごとに町名が振られているからではないかと考えられ、一般には「西洞院錦小路西入る」で届く地域にも「空也町」という誰も知らない町名があったりするからだと思います。
ちなみに、オランダの郵便番号は「1058AB」のような形で、人口で言うと千人から一万人ほどの地域に4桁の番号を振り、プラスアルファベット2桁で通りの名前を表しますから、後は番地が分かれば届くので自動読み取り化は早かったようで、役所へ行っても郵便番号と番地を告げれば、名前が出てくるシステムがありました。
自動車のナンバーも合理的で、アルファベットと数字が適度に組み合わせれた全国共通の全部で6桁だけで、一度登録したら変える必要がなく、それだけで数千万通りになるので数十年持ち、いっぱいになったら色を変えてしまいます。
ほのさん、ありがとうございます。3桁目が「0」のお話は、背後に緻密なルールが伺えますね。全くの白紙状態からこれらの体系を考えた人たちは、結構楽しんでいたのかもしれません。
(11.11.28追加)
万年寝太郎さんよりゲストブックに情報をいただきました。
郵便番号ですが、上2桁→3桁目→上5桁の順で郵便が流れるように考えられていたはずです。
たとえば、
920 金沢中央郵便局(中央郵便局)
926 七尾郵便局(普通集配局)
926−01 和倉温泉郵便局(特定集配局)
と言った具合です。
上3桁は郵政省直営、枝番は特定局というわけです。
郵便の仕分けは
まず「92」石川県で金沢へ送り、
次に「6」七尾市へ。
最後に「01」で和倉町です。
これに現在では町名2桁が付く形です。
現在はトラックですから、こんなに細かく分けなくても良さそうですが、明治以来県庁→郡庁→町村集落と下ろした結果なのでしょう。
失礼ですが、田舎ほど郵政省直営の拠点は減るでしょうから番号は後回し・・・のような気がします。
昔は鉄道輸送でしょうから、鉄道路線順というのは、上2桁で区分した順番に袋詰め・・・と考えれば自然なような気がします。
また、未確認情報ですが、「0」は「6」「9」と読み間違えやすいから、できるだけ郵便の少ないところに・・・という噂も耳にしたことがあります。
(初出02.12.14)
(再編集03.12.15)
(追加04.07.12)
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