一方通行は整然とした道路網にこそ効果を発揮するのです。
前々回、前回と一方通行に対する思いを連ねてきました。例に挙げた一方通行は、いずれも府県庁の所在地の目抜き通りで、道路網が碁盤の目(少なくとも一方通行に該当する部分は)になっているのです。そして、一方通行道路2路線が往復の交通を担う「ペア道路」(私の造語です)になっているのです。
残念なことに、一方通行は悪いイメージがつきまとっています。
車を運転する人が良く想像する一方通行は、走りにくい細い路地です。そもそも迷路のような道路網なのですから、一方通行でなくても、運転は大変です。一方通行により対向車が減って、かえって走りやすくなっているはずなのです。つまり、迷路のような細い道路網のことを「一方通行」のイメージとして、ネガティブに捉えているのだと思うのです。
一方、商店街などでは、交通量が半分になり、走行速度が上がるために、商店街が素通りされてしまうという主張があります。もちろん、傾聴すべき主張でありますが、因果関係については疑問に思うところがあるわけです。
渋滞があってはじめて商店街が成り立つというのは、車の利用者にとっては歓迎できません。交通量が半分という意見に対しては、利用者は往復のどちらかで、通過するわけですから、車に対してアピールする機会は維持されているわけです。一方通行で道路幅員に余裕ができ、店の前に停車スペースが出来るほうがメリットが多いと思うわけです。
再度、プラス2車線だけバイパスを造るの図を参考に説明します。
右折が楽
一方通行で思ったところに行けないという一般ドライバーの意見については、このような碁盤の目の道路で「ペア道路」になっていれば、少しは見直してもらえるでしょう。対向車線が無いので、右折も左折と同じように横断歩道の歩行者さえ気をつければよいのです。慣れた人は規制方向を覚えればよいし、初めて訪れた人もぐるぐる回っていれば、目的地にたどり着きます。
商店街における一方通行については、車がスムーズに流れるということを前向きに考えたいところです。商店に立ち寄る車が、荷捌きのため停車することがあっても、交通の流れを妨げない余裕が生まれることは、大きなメリットだと思うわけです。渋滞でたくさん車がいるように見えても、利用客は混雑の中、店の前に停車したくないと考えているかもしれません。
川越で一方通行規制が反対されているようです。いつもの事なので驚きませんが、ニュースを見ても、論点が何なのか良くわかりません。
ネットでみても、「平日は閑散としているから一方通行化は不要」とか「休日も歩行者に危険がない」という感じの意見を表明しているサイトが目立つのですが、一方通行に対してでなく、市役所の強行姿勢に反対しているように見え、本来のあるべき姿が見えません。
そんな中、いつものバラエティー番組で取り上げていただき、ようやく、問題点が把握できました。
結論はペア道路になっていないということでした。メインとなる県道を北から南への一方通行にしたところで、南から北への交通が無いというのです。周辺道路は城下町特有の迷路で、まっすぐ南から北に進める道路が無いわけです。これでは、一方通行を奨めている私も、賛成できません。ペア道路が良いわけです。
まず地元でも、意見が分かれている様です。保存すべき建築物を守るため、交通量を減らすことで振動を減らそうということも一方通行化の主旨だそうです。
一方通行反対派の方の意見では、一方通行により車がスムーズに流れていると、効果は認めています。問題は南から北への交通だったわけです。
市役所が悪いと文句を言っていれば良い時代は終わり、財政難のため対策が出来ませんと匙を投げられるかもしれません。
いずれにしても地元の問題で、市役所は知恵とお金を出すところと割り切る必要があるでしょう。
(11.07.11)
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