[まちにはまちの道がある]
まだまだ一方通行は日陰者

大阪のメインストリート御堂筋は欠陥道路ではないと思う。

Contents
>複雑な流れを簡単にする一方通行化
>>マンハッタンも一方通行>>立体交差が原則の日本の道路
>一方通行を見直す機運
>>私だけでない一方通行に期待する意見>>国土交通省も興味を示す
>相反する「交通の流れ」と「商店街の活性化」
>>秋田での市民の意見>>徒歩利用客の流れが分散する>>車社会における商店街

複雑な流れを簡単にする一方通行化

マンハッタンも一方通行

 一方通行は日陰者のようです。「対面通行できない狭い道だから仕方なく一方通行化する」というのが一般的な認識。しかし、ところ変われば必ずしもそうとは限りません。ニューヨークのマンハッタンの道路網はご存じの通り一方通行ですが、「道路が狭い」からというわけではありません。右折(アメリカでは左折)する際、対向車を避けること必要がない一方通行は、全体として交通の流れをスムーズにするという合理的な選択です。

 日本でも1970年頃大阪の御堂筋を始めとする南北路線が一方通行化されました。ひどい渋滞に耐えかねての選択。この他に追随する都市をとほとんど見かけません。

立体交差が原則の日本の道路

 道路の基準である「道路構造令」によれば、4車線であれば立体交差が原則であるとのこと。渋滞が起きるのは、基準を守らず平面交差にしたためと言われそうです。そんなわけで、大阪市以外の全国の都市では立体交差がせっせとつくられてきたわけです。立体交差を原則とするのは優等生的な模範解答ですが、採算性とか地震で崩壊した場合の安全性を考えれば、平面交差も評価したいところです。平面交差での混雑を少しでも緩和する方策として、一方通行化は有効だと思うのです。

一方通行を見直す機運

私だけでない一方通行に期待する意見

 「一方通行」をインターネット上で検索しても、驚くほど情報が集まりません。一方通行は「悪」であるという認識が強いのでしょう。

 そんな中、心強い意見も発見しました。金沢都市圏交通円滑化総合計画(案)の策定中に意見を広く募ったようで、市街地の一方通行化を推進する意見が寄せられていました。御堂筋を例に取り上げて意見するというところを見ると、「一方通行=対面通行困難」という消極論ではなく、「一方通行=スムーズな流れ」を意識したところだと思います。
 対する計画策定者側の返答は、極めて消極的なものです。金沢は先進的な施策を打ち出す印象が強くありますが、まだまだ一方通行には及び腰の様です。全国への浸透には時間がかかりそうです。

国土交通省も興味を示す

 「安全でくつろげる道づくり」による中心市街地活性化を目指した交通実験では、高知県中村市において一方通行の実験が行われました。片方の商店街では「交通規制の緩和」、もう片方の商店街では「交通規制の強化」と、2種類の対応となったため、一方通行化に対する意見が賛否両論の2つにわかれました。まだまだ推進という結論まで至らないところでしょうが、国土交通省内で一方通行が認知されようとされるのはたのもしいことです。

相反する「交通の流れ」と「商店街の活性化」

秋田での市民の意見

 御堂筋と並んで私が例に挙げた秋田駅前の一方通行ですが、市民には不評なようです。第5次秋田市総合都市計画策定中の市民の意見が掲載されていましたので見てみると、一方通行化に否定的な意見がちらほら見られます。ただし「活性化にマイナス」なんて意見が見られるということは、衰退傾向にある商店街を関連づけているように思えます。しかし私は、商店街の活性化と一方通行化は何ら関連性がないと考えます。

徒歩利用客の流れが分散する

 秋田駅前からまっすぐに伸びる3本の道路は北から

  • 広小路−駅より離れる(西方向)3車線道路。もともとにぎわった商店街。
  • 仲小路−車道がジグザグのコミュニティー道路。西武百貨店とイトーヨーカ堂の間にあり、買い物広場の一部を形成する。
  • 中央通り−駅に向かう(東方向)3車線道路。こちらも商店街。

のように並んでいます。仲小路を含めて3本の商店街があることになります。秋田市第一の繁華街は川反といって広小路をずっと先に進んだ方向でですから、川反に向かう客の流れは期待できません。限られた客の流れを3列の商店街で分け合うとなると、1商店街あたり客の流れは閑散としたものになります。このことは当ウェブサイトショッピングモールの掟で取り上げた、「商店街はたくさんの通路をつくってはいけない」という掟が当てはまります。
 道路の流れと歩行者の流れは関係ありません。一方通行の道路が対面通行となっても、商店街を歩く利用客が増えるということにつながらないということです。

車社会における商店街

 もしひとつ解決策を打ち出すとするなら、道路の役割分担を明確にすることでしょう。
 3つの通りの役割分担はこうです。中央の仲小路は歩行者が主体、広小路、中央通りは車両交通が主体。可能であれば広小路、中央通りに公共駐車場を増やして、車社会の秋田に対応します。公共駐車場は、専用のものでなくても、ホテルや業務ビルに併設されたもので良いわけです。つまり広小路、中央通りは、業務系の土地利用となります。そしてこれらの通りの駐車場に車を置いて、利用客は仲小路に向かうことになります。

秋田駅前の商店街を集約
秋田駅前の商店街を集約

 仲小路を中心とした歩行者主体の空間の整備は、既に充実しています。仲小路自体がコミュニティー道路になっていますし、西武百貨店とイトーヨーカドーの間には買物広場があり、しかも降車専用のバスターミナルや駐車場も設置されています。将来、更に安全に歩行できる空間の整備が検討されているようです。

 このようににぎわいを生み出す基盤は準備されているのですが、店舗が長い商店街に散在しているので、閑散と見えるのです。せめて買い物広場を中心に店舗が密集するようなれば、小規模ながらにぎわうようになるはずです。そのために広小路、中央通りを無味乾燥な業務系の土地利用転換するという英断が必要になります。これもなかなか大変。

 しかし、いずれにしてもスムーズな自動車交通の流れと商店街の活性化を混同しないで欲しいというのが願いです。

(初出03.09.22)(再編集10.06.14)編集前

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