流れのヒント

[まちにはまちの道がある]
バイパス建設の誘惑

安い費用で立派な道路が出来るバイパス建設をアピールしたいところでしょう。

Contents
>幹線道路同士の交差点はにぎわう
>角地が鍵を握る幹線道路の拡幅
>土地区画整理事業を実施しても手つかずの国道
>バイパス建設という魅力

幹線道路同士の交差点はにぎわう

 前回取り上げた郊外型店舗の有力な候補地としては、3けた番号の国道(例えば国道157号)や主要地方道(主な県道)が挙げられます。狭い幅員なのにいつの間にか店舗が連続して出店し、右折車線が取れないほどになっています。そんな区間に限って、別の幹線道路が交差し、信号待ちの長い行列が渋滞に拍車をかけています。

角地が鍵を握る幹線道路の拡幅

角地のA店は下がれない
角地のA店は下がれない

 解決策のひとつにまず思い浮かぶのが道路の拡幅です。しかし当然、店舗からの反対を受けます。特に問題なのは幹線道路同士が交差する角地の店舗です。店舗の後ろに空地があれば、補償金を支払って移転してもらうという手もありますが、角地に立地する店舗ではその手法は使えません。繁盛している角地をそう簡単に手放すわけにはいかないでしょう。

みんなすこしずつずらす
みんなすこしずつずらす

 土地区画整理事業という手法ならば、それぞれの店舗を一斉にセットバックすることも可能です。角地の店舗は道路拡幅後の角地のままです。事業の性質上、事業後の土地面積は減ることになりますが、道路拡幅によるセットバックと考えればあきらめもつきます。

土地区画整理事業を実施しても手つかずの国道

 このA地区は実在の地区を想定していますが、全国のどこの地域にも当てはまるケーススタディーとして読みすすめてください。また取り上げた情報は公表されているもの以外、私の推測です。

 しかし、土地区画整理事業を実施しても、拡幅が実現するとは限りません。

 A地区は地方都市の店舗集積地で、2路線の国道が交差する交通の要衝です。特に南北方向に通る国道は2車線しかなく、かなりの混雑となります。この地区を土地区画整理事業で整備をすることになりました。道路だけを整備する事業とは異なり、拡幅に対し沿道の店舗の理解を得やすいというのは、上記で述べた通りです。しかし結局、国道は拡幅されずにそのままとなりました。

 その理由としては、バイパス建設が計画されていることが挙げられます。通過交通は新設されたバイパスを利用することで、渋滞が解消されるというのが理屈です。国道管理者としては広域的な観点から対応策を考えなければなりませんから、これもひとつの考え方として納得です。

バイパス建設という魅力

 バイパス建設は一般的に受けが良いです。バイパスを建設すればすべては解決すると錯覚しそうです。既存の道路の拡幅では、建物の移転補償費や高い地価の用地費の負担が必要になりますが、地価が安いところにバイパスを造れば、移転補償する建物も少なくてすみます。同じ事業費を投資するにしても、車線が多く、歩道が立派な道路ができるほうがいいでしょう。派手な計画は市民の受けも良いでしょう。そんなわけ旧幹線道路は何の改善もされず見捨てられ、新しい幹線道路の完成が待たれるわけです。

 なお、実際にはバイパスは1.5kmも離れたところに建設され、しかも有料。あまり交通量はバイパスに移転していません。また、仮にバイパスが無料で供用されたとしても、A地区の混雑が緩和されるとは思えません。
 根本的な解決としてのバイパス建設は良いことですし、既存の道路に投資をおさえるというのも納得出来ます。でも今起きている渋滞に対しての対策を無視して将来に期待するだけというのも気が長すぎる話です。

(初出03.09.22)(再編集10.06.14)編集前

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