「面」という安全地帯では無いのです。
横断歩道の基本は幅を持った線だと考えるわけです。線と面の違いをパソコンのイラスト機能でたとえるとこうなります。
グラフィックソフトで見られる、線と面の違い
見た目は同じ様ですが、考え方がしっかりしていないと、安全に疑問が残る横断歩道ができてしまうのです。
横断歩道は、
というのが理想です。
あまり箇所を減らすと歩行者が不便になってしまいますが、横断歩道の幅を不必要に広げないということは実践可能でしょう。
歩道の幅が広いと斜めに横断することで余計に時間がかかってしまいます。
斜め横断は時間がかかる
幅広なのに歩行者がまばらだと、ひとりに注意してもまた次の歩行者が現われ、運転者は注意が散漫になるわけです。
ひとり去ったらまたひとり
同様ですが、右左折車は、どうしても死角ができやすい環境で通行します。死角を少なくするためにも歩道の幅は狭いほうが良いのです。
曲がり角の死角
実例を挙げながら、考えをまとめてみましょう。
この写真は高架駅の改札口前です。駅の出口は開口部が広く、その幅に合わせて横断歩道の幅が決まっています。狭くすると歩行者が横断歩道以外で道路を横断することが予想されます。そこでこの横断歩道の場合は2つの理由から、安全上問題ないと考えるのです。
駅前の事例
歩行者信号が斜めを向く
しかしながらこちらの事例は、交差点に近いので右左折車が生じます。これは好ましくはありません。
ふたつをひとつの横断歩道に
テレビで紹介されていたのですが、そもそも2箇所だった横断歩道を1箇所につなげたというのです。大きくすれば目立つというのはなるほどですが、広くなっただけ歩行者が自由に動き回れるということを意味します。横断歩道は狭いほうが良い理由を考えると、危険な横断歩道だと考えるわけです。
特に小学生たちが広い横断歩道上を右往左往自由に行き来する中に車両が進入する様子を思い浮かべるとヒヤヒヤします。
車両と共存する歩行者の心構えとしては、道路と直角方向にまっすぐ歩いていくというのが運転者に親切な歩行者というものです。横断歩道が線であることを意識させるのがエスコートゾーン(視覚障害者用道路横断帯)です。見た目は点字ブロックです。そういえば、歩道にはあっても横断歩道にはありませんでした。
視覚に障害がある場合に役立つ施設ですが、それだけでなく、皆がこれを中心に歩くのだと意識することで、車両と歩行者が共存できる良い関係となるわけです。
エスコートゾーン
(初出09.04.20)(再編集11.03.21)編集前
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