連番の処理が得意なエクセルに作業を分担させるのがいいようです。
前回までありきたりなホームページ講座を展開していましたが、まだ実用的とは言い難いでしょう。例えば、実際に大量の写真があった場合、異なるファイル名をいちいち手入力するのは大変です。そこで何か自動でできる良い方法が無いかと考えるのです。
留意点としては、自動化で節約できる時間をいつも念頭におくことが肝要です。ファイル名を100箇所変えるくらい、数分で終わる仕事ですから、そのために何時間もプログラミングやフリーソフト探しをしているというのは考えものです。
この様な「ちょっとした困った事」に役立つのがスプレッドシートです。メーカーのパソコンを買うともれなく、抱き合わせされているエクセルのことです。完全に自動では無いけれど単純作業からは解放されるという半自動が実現されるわけです。
エクセルを活用してHTMLを作るという一連の作業を理解すれば、写真アルバムに限らず、結構応用が利くと思うのです。どんなことをしているのかちょっと覗いてみてください。
エクセルは連番をつけるのが得意です。
いろんなやり方があるでしょう。この辺りは、「誰でも知ってますよ」と、言われそうなので、さらりと流しましょう。とにかくA列に連番を入れます。
A列に並べた連番を参照しながら、B列に写真ファイル名を含むHTMLの要素を記述していきます。工夫としては以下の様なものです。ちなみに例の写真ファイル名はImg_0001.jpgの様に数字部分が4桁になっているものです。
A列を参照しながら
HTMLの要素すべてをB列に書いていきます。
B列にソース全文が並ぶ
B列を選択してコピーし、メモ帳に貼り付けます。
B列の一番上、Bと書かれた枠をクリックすればB列全体選択できます。右クリックするなり、編集メニューから選択するなりしてコピーを実行します。
メモ帳を立ち上げて、貼り付けます。メモ帳には、エクセルで表示されていた文字列が貼り付けられます。エクセルの1行に対応するように改行が入っています。
メモ帳に貼り付ける
メモ帳に貼り付けたら、名前をつけて保存しましょう。とりあえずデスクトップに、名前は「写真アルバム.html」。任意の名前ですが、最後に「.html」または「.htm」とつけるのはお決まりです。
メモ帳を閉じたら、保存した「写真アルバム.html」をダブルクリックしましょう。いつも使うブラウザが立ち上がり写真が表示されます。
なお、あらかじめデスクトップに写真ファイルをおいておく必要があります。また写真ファイル名にあわせてエクセルの式も変える必要もあります。
写真アルバム完成
エクセルファイルをゼロから作るのはちょっと面倒でしょうから、エクセルファイルを用意しました。どんな風になるのか試したい方は、こちらからダウンロードしてください。
photo.xls[excel形式17KB](右クリックで対象をディスクに保存して下さい)
このように、エクセルは表やグラフを書いて印刷するだけが機能ではありません。文字列を加工する作業スペースとしてとらえるといろいろと役だってくれます
上記の写真アルバムではHTMLのすべてを作成していますが、ホームページビルダーなどのオーサリングソフトとの連携でも構わないのです。大枠はオーサリングソフトで作っておいて、くり返し部分のみをエクセルで加工し、また戻すのです。
冒頭で、エクセルで文字列の処理をするメリットとして時間的な観点を挙げましたが、もうひとつ見通しの良さによるミスの軽減も見逃せません。手入力と自作プログラムの場合、いずれも完成版のチェックを怠るともうチェック機能がありませんが、エクセルでの半自動の作業であれば、セルに文字列が整頓されて並ぶので間違いにも気がつきやすいのです。パラメータを独立したセルに入れるなどして、チェック機能が働く様な工夫で更に見通しが良くなる事でしょう。
(05.06.20)
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