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構想図では「点」ですが、現実には点にならないところが難しいところです。
JR京葉線の二俣新町駅(Mapionの地図へ(http://www.mapion.co.jp/m/35.68815663937506_139.96262307091854_8/))は埋立地の上に工場や倉庫が建ち並ぶ比較的新しい町の駅です。この路線は、本来貨物線として計画されていましたが、沿線人口の増加に伴い、人も運ぶことになりました。この駅は武蔵野線と京葉線が交差する、交通の要衝といっていい地理的条件にあることから、乗り換え駅としてにぎわうと考えるのが自然なのです。
ところが現実には電車は通過してばかりです。本来貨物線として計画されてされていた特殊性によるものです。
2つの路線が交差する駅では乗り換え駅になるのが普通です。人間は素直に歩いてくれるので、ホーム同士を階段で結べば「乗り換え駅」として機能します。
ところが貨物は人間の様に乗り換えてくれませんから、渡り線でお互いを結んでしまうのです。
そんなわけで、西船橋から出発した列車は途中で分岐し、一方は千葉方面、一方は東京方面へ直通するのです。直通列車の利用客は便利で良いのですが、二俣新町駅からは利用できなくなったのです。
すでに貨物線として計画されてきた京葉線に乗り換え駅の機能を持たせるというのは無理な話なのかもしれません。それなら、乗り換え機能のないこの駅はここで無くても良いきがします。
市川塩浜駅から南船橋駅まで約8kmもあり、駅間距離は約4kmになります。この駅間距離は、京葉線の他の区間より長いものです。この8kmの間で今の二俣新町駅の代わりに2駅設置しても、平均駅間距離は2.6kmで、違和感はありません。今の二俣新町駅の代わりに立体交差が終わる箇所あたりに東と西で計2駅設置すればいいのではないかと思うのです。そうすれば、南船橋や市川塩浜まで迂回するのに比べるとスムーズな乗り換えが可能です。
最初計画を立てたとき、ここが乗り換え駅に見えたから、ここに駅を設置しようと考えたのだと思うのです。東京と千葉が一望できる地図(Mapionで縮尺を変更して下さい)を眺めてみるとわかりますが、新木場駅と蘇我駅の次に大切な乗換駅を選ぶとすれば武蔵野線と接続するこの地点を選ぶでしょう。大まかな地図で計画を立案している段階では、駅の構造のことは、あまり考慮意識がなかったことでしょう。
ところが計画が実現するにつれ、二俣新町駅には乗り換え駅としての機能を持たせるのは大変な苦労だということが判明してきました。もはや、変更はできなかったというところでしょう。
変更できなかったというより、だれも変更する気がなかったのだと思います。倉庫や工場が建ち並ぶ定住人口が希薄な地域で、駅が設置されるだけで、地元としては大歓迎です。またこの駅が乗り換え客でごった返すとしても、所詮は通過客ですから、市が率先して便利な駅にするというメリットもありません。JRとしても、東京や海浜幕張から武蔵野線に直通運転出来るメリットがある以上、これ以上駅を増やしたり、複雑な構造にしたりすることは考えたくなかったでしょう。
このように、「ここで乗り換えたい」という少数利用者の意見は無視される形で、不思議な駅は既成事実化したのだと思います。
立川北駅
財政面では地元自治体に多大な負担を強いていると言われている多摩モノレール。この地域では数少ない南北方向の路線であることやシンプルな駅のデザインに好感が持てます。
路線の中心に位置するのが立川。もちろん重要な乗り換え駅です。もちろんこのことは構想段階から明らかだったはずで、きっと構想図にはJRと交差する箇所に立川とかかれたひとつの丸で「交通の結節点」を表現していたことでしょう。
ところが、モノレールの駅はJRの駅の真上に建設されないのが暗黙の了解です。JRとしては難工事の末、真上にモノレール駅が出来てもメリットはありません。近くても離れていても、JRへの乗り換え客には違いありません。
ただでさえ混雑する駅構内に新たな動線を増やしたりすれば、混雑はひどくなる一方です。そんなわけで、モノレールの駅は北か南のどちらかに避ける必要が生じました。
あるいは市ぐるみの再開発でつくった商業施設の近くにモノレールの駅があると好都合だと思ったり。
絞りきれなかった結果、JR駅の北口と南口の2箇所にモノレール駅が設置されました。JRの駅とぴったり隣接していない不便さはありますが、2駅のどちらかに行けばいいのですから駅周辺からのアクセスは良好です。
ターミナル駅が2箇所に分散していると、混雑も分散されて、列車の運行もスムーズでしょう。
ただし、毎日使う人にとって乗り換えの距離は少しでも短い方がいいはずです。しかし乗客への配慮はいつも後回しになってしまうようです。
秋田新幹線は新幹線の風格が感じられません。山形新幹線は国鉄時代奥羽「本線」という幹線だったのですが、秋田新幹線は田沢湖線というローカル線だったのです。急な曲線の単線区間を走るさまは新幹線とは思えません。
さらに驚いたことにスイッチバックがあるのです。大曲駅は、奥羽本線にある田沢湖線の分岐駅です。盛岡から来た「こまち」は、この大曲駅で進行方向を変え、秋田方面に向かうのです。残り30分程度のことですから乗客はシートの向きを変えたりしません。乗客は、後ろ向き流れる風景を眺めながら秋田に到着するのです。楽しくありません。
大曲にこそ二俣新町のような渡り線を設けてくれるとありがたいのですが、地元の声はそうはさせてくれなかったようです。
もちろん二俣新町のようにホームもなく「通過」ということはあり得ないでしょうが、渡り線に新駅をつくるということも合意を得られなかった様です。
在来線の駅より離れたところに駅をつくっても不便で仕方がないというところでしょう。
ここでも乗客の気持ちは、後回しのようです。
大まかな計画では、
しかし実際は
詳細な検証が、構想段階の計画を覆すことには要注意です。
(初出00.07.30)(再編集03.08.25)(再編集10.05.17)編集前その1(log/1030.html) 編集前その2(log/1031.html)
駅の表玄関が開かずのシャッターというのはちょっと寂しいものです。
「[1点豪華主義が好まれる]基準階は一階で(1062.html)」では、駅側と駅前広場側のそれぞれで勝手に施設を作ってしまうという連携の悪さを考えました。しかし、連携しようと思っても調整が不十分だと「こんなはずではなかった」ということになってしまうでしょう。
高架駅を下車し、自動改札を通り抜けた正面のことです。出口があるべきところにはシャッターが降りたままで、利用できるのは左の狭い階段のみです。通用門しか利用させてもらえないという感じです。
正面はシャッターが降りたまま
外からシャッターの様子を眺めてみます。シャッターの外側にあるべき歩道橋が見あたりません。これではシャッターが降りているのも無理はありません。
シャッターの先は何もなし
シャッターの位置をよく見ると2階としては、ちょっと低めです。設計ミスかもしれませんが、この駅の成り立ちを考えると納得する部分もあるのです。
鉄道高架の建設が始まったのは周辺の宅地造成より10年以上前のことで、造成設計の反映が間に合わなかったと考えられるのです。盛土をした様子は次の写真の通り、高低差は人の背丈の半分くらいにはなるでしょう。
現在の地盤高は少し高い
以前は水田地帯でしたから、盛土する事くらいは想像つきそうなものです。実際に高架の設計者は、周辺の盛土は予想がついていたかも知れません。しかし、盛土の高さを任意に計画したところで、結局は1階部分の高さがあわないということにでもなれば問題でしょう。正式な造成高さが提示されていない限り、「現況の地盤高」を使うのが無難な選択だったのだと思うのです。
このシャッターに続く幻の歩道橋が、道路を越えたショッピングセンターに向かうことは、ショッピングセンター側の途切れた歩道橋を見ればわかります。
ショッピングセンターのバーゲンの垂れ幕がかかっている場所が歩道橋の途切れた部分です。
ショッピングセンターに向かう
ちなみに駅からショッピングセンターに向けては幅の広い歩道が整備されていますから、それほど大きな混乱はありません。
「[1点豪華主義が好まれる]基準階は一階で(1062.html)」で取り上げたとおり、駅というのは鉄道、道路が集中するという性格上、いくつもの境界が交錯するものなのです。
歩道橋はその境界を乗り越えるという「夢の架け橋」なのです。今回出てくる境界は2箇所あります。
あとは道路に歩道橋を設置すれば「夢の架け橋」が完成するのです。道路といえば市役所が管理するもの(市道の場合)ですから、市役所に期待するのが普通です。しかし今回は市役所に期待してもダメなのです。
この市の都市計画を調べてみると、駅周辺は組合による土地区画整理事業により整備されているのです。多くの土地区画整理組合は、行政の後押しのある「第3セクター」みたいなものですが、行政そのものではないのです。
国や市から補助金を受けていますが、基本的に独立採算です。懐事情が悪ければ、コストダウンに踏み切る必要があるでしょう。歩道橋は後回しということは充分考えられます。ということで夢の架け橋は夢に終わりそうな気配です。
駅の表玄関が開かずのシャッターで、利用はもっぱら通用門の様な階段のみというのはちょっと寂しいものです。
(05.08.15)
道の駅では施設が駐車場の方を向いた方がいいのです。
前回取り上げたバスターミナルに隣接する「道の駅」の話です。こんな看板を見かけました。長居をする人がいて、駐車場がいっぱいになるのだとか。
ちょっと迷惑顔の警告
乗り合わせというのは、別々の車でやってきた仲間が1人の車に同乗して高速道路で遠出するのを言うのだと思います。駐車場がいっぱいになってしまい、道の駅の施設を利用したい人が駐車出来ずに不便するということなのでしょう。この場所は交通の結節点を目指す立地条件ですから、期待通りの使われ方をしているわけです。ガソリンの消費量が減って省エネルギーに貢献です。問題は隣接する高速バス利用者のための有料駐車場を使ってもらえないということ。
道の駅など公共のスペースは利用者の甘えが出て、マナーが悪いというのが悩みだとか。ニュース番組で、早朝の道の駅に家庭ごみを放置した人に質問したところ「利用してもらって感謝しろ」なんて逆切れされる映像もありました。ここも公共のスペースだからいいだろうと思われているのでしょう。
長時間駐車で困っているなら、全部有料駐車場にして、短時間や店舗の利用者には無料にするなどとすれば良いと思うのですが、私の知らない事情があるのかも知れません。
ただ長時間駐車しやすい駐車場だなと思ったのは事実です。円形の広場を中心にそれを取り囲むように施設が配置さており、駐車場は店舗から死角に位置することになるのです。ただでさえ公共のスペースという甘えがあるのですから、誰も見ていないところでこっそりという誘惑が強いのです。
店舗の死角
この施設の形は、私が[ショッピングモールの掟]アメリカのショッピングモールを歩いてみれば(2040.html)等でたびたび取り上げているショッピングモールの形態です。ショッピングモールの店舗は建物の内側に向かっていて、駐車場から建物を望むと壁しか見えません。中央の広場に入ってみてはじめて店舗の全容がわかるわけです。遊園地の入り口をくぐるような楽しさが演出できます。
計画者が、ここにはショッピングモール型がふさわしいと考えたのにはうなずけます。
道の駅の性格上、利用者の多くは、通過点として利用するわけです。利用目的は「トイレ」、「食事」、「地元の物産」等、目的ははっきりしています。道の駅の主役は駐車場。駐車場を中心とした便利さが求められるのです。
ショッピングモールとパワーセンターの違い
パワーセンターは1店舗だけでも集客力のある強力な店がもっと強力になるべく寄り集まったものです。パワーセンター内では目的の店の前に駐車し、他の店に用事が無ければさっさと帰るわけです。店の並びは一望できますので新装開店の店があればすぐに発見できます。ショッピングモール型は必ず真ん中の広場に通るという煩雑さがあり、その欠点を解消したものがパワーセンター型なのです。
駐車場から店舗へ一直線の例
道の駅も同様に「トイレ」という目的のため、トイレ前に駐車し、同じならびに物産店があれば見に行くし、時間がなければさっさと退散というのが利用者が求める便利さでしょう。
この道の駅の施設は、結構にぎわっているのです。
各施設はこのままでも良いと思っているかも知れません。悩みは乗りあわせの人が有料駐車場を使ってくれないということぐらい。
しかし、ここは交通の結節点。地域のコミュニティーセンターでも近所の商店街でもない役割があるのです。
利用者の最大の目的は「ぶらり」(休憩)です。「トイレ」「飲食」等は、まだおまけです。
これらの人にはちょっとした暇があるわけですから、暇つぶしを提供して欲しいものです。既存のドライブイン、サービスエリアでは「五平餅」なんかはいい暇つぶしだと思うのですよ。なにも考えていなかった人もちょっとお金を落とそうという気になってしまうのですから運営者側もメリットはあります。団子でも、磯辺焼きでも、焼き鳥でもいいですが、手軽にお金を落とす仕組み。それは駐車場から見えるところにある方がいいと思うわけです。
結局のところ、駐車場の前に、レストラン、売店、トイレが一列に並んでいるサービスエリアの施設配置に近いものになってきます。交通の結節点とはそういうがやがやした風景が似合うと思うのですよ。
(06.10.09)
航空運賃の値下げ競争に明け暮れるより、アクセス交通や空港使用料を含めた空港間競争で利用空港の選択ができるといいと思うのです。
「成田と羽田の役割を見直す」とか「新幹線を羽田に乗り入れる」など、大臣が思いつきと言われながら夢を語るのですから、一般人は夢を語っても良いでしょう。
大手航空会社2社(J航空とA空輸)のうち、J社が公共の支援下に置かれるようになりました。航空行政は今まで同じ扱いをしてきた大手航空会社2社(J航空とA空輸)に対して、それぞれ違った役割を与えることが可能となったのです。
J航空の再建案では赤字路線を大幅に縮小するようですが、民間企業でできることに税金を投入する意味がありません。公共交通のJ航空は、国庫や地方の補助金を頼りに赤字路線を運行するのが良いでしょう。
2社の特徴を踏まえて、全国の路線網を描くとこのようなイメージになるわけです。
民間と公共の2社体制
路線図では、A空輸が就航する空港とJ航空が就航する空港がそれぞれの地方でまんべんなく配置してみました。空港によってA空輸を利用するのかJ航空を利用するのか選ぶことになります。後述しますが、A空輸は羽田空港、J航空は成田空港という風に行き先がっことなるため、利用者の選択の幅が広がるということです。
空港が複数ある東京と大阪地区は各航空会社の専用空港を持ってもらうのです。
ハブ空港の条件は、地理的な要因が大きいわけです。成田空港の滑走路がたった1本で、第1ターミナルしか無いときから、ハブ空港の機能は持っていました。アメリカ全土から出発した便は、日本の夕方に集結し、アジアの各地に向かうのです。
ハブ空港は母都市の活力も条件です。大都市東京を抱える羽田空港はだまっていても、日本中の路線が集結しています。どの航空会社に乗っても、同じ料金で利用できるよう指導をしてきた航空行政も、結果的に乗り継ぎの利便性を高めてきました。
ハブ空港の条件は滑走路数ではなく、成田は国際線のハブ空港、羽田は国内線のハブ空港になっているわけです。羽田の場合はあまり戦略的ではありませんから、ハブといえるか微妙ですが。
これからの航空政策は国際線と国内線が乗り継げるハブ空港だ大臣は主張しています。D滑走路が出来ても、羽田の発着枠は劇的に増えるわけではありませんから、成田を廃止するわけにはいきません。そうなると
の同じ機能を持った空港を2つ整備するということになるのです。大臣ははっきり言っていませんが、そうとしか考えられません。
羽田と成田でJ航空とA空輸を振り分けるとき、どちらの航空会社も成田に国内線を移したくないという思いがあるでしょう。
ここは大臣が国策企業のJ航空に成田に行きなさいというしかありません。
なのです。
大半の国際線は、成田に乗り入れ続けることになるでしょうから、J航空が成田発のローカル線網を構築すれば、地方空港は、ワンストップで世界に向かえるわけです。
もう少し空港での役割分担を詳細に見てみますと
東京地区での分担
大阪地区は空港が3つありますから、ちょうどで、割り当てられます。
大阪地区での分担
結局、赤字路線は国策航空会社のJ航空に引き取られ、成田空港をベースに運行することになります。成田空港にも良いところはあるので、悲観することはありません。
成田はそんなに遠くないのです。日暮里から計算しますと、成田へは来年開業の新型京成スカイライナーで36分。羽田へはほぼ同じの37分ですから、快適に着席できる列車網が充実できれば、利用者の遠いという印象はすぐに打ち消せるでしょう。
羽田空港に国際便が就航するといっても、基本的にはA航空と仲間たちだけです。数多くの国際便が就航する成田空港へ直接乗り入れるのは大きなメリットです。
羽田空港から成田空港にバスで移動する時間を考えれば、地方側で成田空港への直行便を選択する需要は多いでしょう。
千葉県、埼玉県からであれば、成田空港はそんなに遠いものではありません。さらに埼玉県下から快適なアクセス列車を走らせるために、武蔵野線や成田線の整備に空港整備特別会計を投入するくらいの支援は、公共交通としての航空網を考えたときには必要となるでしょう。
成田空港への最短ルートというメリットを生かしながら、隣の県の客をターゲットにしましょう。少ないパイを奪い合うというよりも、羽田か成田かという選択肢を提供することで、利用者にもメリットのある競争です。きめ細かいサービスが必要となるでしょう。
利用者は、航空会社のみならず、空港施設やアクセス交通に対しても費用や時間を費やしているわけです。利用者の選択は単純に空港からの距離ではないことは、新規開業の空港を無視して、遠い既存の空港を利用する実態があることからわかるでしょう。
県をあげて支援するなら、これくらいはできそうな気がします。
(11.10.31追加)
S航空による成田−札幌間、成田−旭川間就航というニュースが飛び込んできました。その名も「成田シャトル」。
路線図で示した旭川便が実現したということです。本当は税金を投入するJ航空が適任だと思っていましたが、赤字を垂れ流してはいけないとのことでしょう。
ニュースでは、成田空港の社長さんが、これからはLCCの時代だと応援していましたから、会社として出来る限りの支援をしていくのでしょう。全国津々浦々から成田の国際線を利用できる機会を増やす、公共事業のようなものですから、期待は大きいのです。当のS航空が隙間需要を狙って充分儲けられるならいいのですが。
引き続き那覇、福岡にも「成田シャトル」は進出するようです。
(13.04.22追加)
成田経由の夜行便という新たなジャンルを切り開いたのは大きいのです。
成田早朝発の便に接続して、深夜バスが東京より出発するというのです。深夜1:30に東京駅を出発して、成田空港に3:30に到着。昼行便なら1時間かかるところをパーキングエリアで休憩を取りながら2時間かけて到着するわけです。
これなら6時台の出発便に余裕で間に合います。
費用面では高速バスと同等、新幹線より安いということになります。
何より夜の時間を有効に使った新たな交通手段が登場したということは大きな進歩です。
成田は「遠い」を逆手に取ったバス便の設定は感心しました。羽田空港行きも深夜バスがあるのですが、2時には空港についてしまい、暇つぶし時間がちょっと長すぎます。
羽田空港は24時間空港なのだから、3:00羽田発4:00関空着というのも丁度だと思うのですが、運行の効率が悪いのでしょうかねえ。
(10.01.25)
高速道路と鉄道が交差するところは山ほどあるのですが。
かつて貨物専用の航空会社がテネシー州メンフィスにハブ空港を構えたのは、立地条件の良さでした。夕方全米各地の空港発った貨物は、メンフィスで仕分けをし、深夜に各都市にむけて発つのです。これで翌日配達できるというわけです。メンフィス自体は小規模な都市で大きな需要はありませんが、アメリカの中央部にあることと、欠航が少ない気象条件が重要だったのです。隣の都市へ行くにも、わざわざメンフィスを経由することになりますが、貨物は遠回りでも文句を言いません。
旅客便の場合も、アトランタ、シカゴ等にハブ空港があり、需要のない空港同士の乗り継ぎを可能にしてきました。旅客は貨物と異なり、遠回りを我慢できません。手頃が料金で直行便が提供されていれば、そちらに乗り換えます。こうして、小回りのきく中小航空会社が直行便を運航して、旅客を獲得してきたのです。
アジアの各国がハブ空港を自国に持とうと、新空港の建設に躍起になってきましたが、結局のところ母都市自体の需要が重要であることも聞かれます。乗り継ぎ需要だけを期待してハブ空港を作っても、航空会社はいきなり乗り継ぎシステムを構築するわけにいきません、まず母都市への直行便を就航させ、それが集まり、結果として便利な乗り継ぎ機能が構築されるというわけです。
交通結節点においても、ハブ空港と同様のことが言えます。高速道路と鉄道駅が交差する場所があっても、そこが交通結節点がとなるわけにはいきません。
これら相反する条件の中、交通結節点として開業した「阪急西山天王山駅」は、よほど好条件がそろっていたのでしょう。
阪急西山天王山駅
高速バスのりば行きのエレベーターホール
このようなエレベーター塔が上下で2基あります
料金所の前後にバス停があります
パークアンドライド機能もあります
鉄道の利用客は郊外に行くにつれ減少していくものですが、大阪〜京都間は激減しないのです。西山天王山駅はちょうどもっとも利用客が少ない区間ですが、列車は京都〜大阪を通しで走っているので、各駅停車に限定しても1時間に6本走っているし、近隣の駅で優等列車に乗り換えることもできます。京都・大阪のいずれへも30分程度で着いてしまう立地条件の良さです。
一方、名神高速道路には、東京と大阪を結ぶ数多くの夜行バスがすでに走っています。
長岡天神駅と大山崎駅間は阪急電車の駅間の中で2番目長い区間(4.0km)です。中間地点に新駅を設ける駅間距離としては申し分ありません。
本線の路側に設置するバスストップではなく、インターチェンジに設置して、一般道にも出られるタイプなのです。必要なら一般道にもバス路線を拡大することができるのです。
京阪淀駅までのバス便が1時間間隔で設定されました。従来からJR山崎および阪急大山崎駅から運行されていましたが、2時間間隔という不便なものでした。この度のバス路線再編で、長岡京市市街地からも利用できるようになり、利用者増が期待できます。
そもそも阪急電車と京阪電車の間には淀川が流れていて、交通の行き来が大変不便なのです。3駅大阪よりの高槻市・枚方市駅間は距離が長く、道路が混雑していてなかなか大変なのです。
駅前にはすでに円明寺が丘団地があり、一定の旅客を見込めます。バス便で最寄駅まで電車を利用していたわけですから、何もメリットはありませんが、ここはJR京都線が並行しており、JRの利用客を取り込む期待もあります。
私立の中高一貫校も進出してきます。京都の学校でしたが、大阪の生徒も呼び込もうというもの。学校の生徒は、定期券は学生割引となりますが、通勤とは違った時間帯で違った方向のため、電車の増発なしに安定した収入が見込めます。
以上のように、せっかく開業するからにはいろいろなメリットが盛りだくさんになっているのです。
(13.12.30)