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[こんなはずではなかった交通の結節点]
結節「点」といっても点ではない

構想図では「点」ですが、現実には点にならないところが難しいところです。

Contents
>駅を2つに−立川
>バイパスルートは造らず−大曲

駅を2つに−立川

立川北駅
立川北駅

 財政面では地元自治体に多大な負担を強いていると言われている多摩モノレール。この地域では数少ない南北方向の路線であることやシンプルな駅のデザインに好感が持て、私は気に入っています。

 路線の中心に位置するのが立川。もちろん重要な乗り換え駅です。もちろんこのことは構想段階から明らかだったはずで、きっと構想図にはJRと交差する箇所に立川とかかれたひとつの丸で「交通の結節点」を表現していたことでしょう。

構想と現実の違い

 ところが、モノレールの駅はJRの駅の真上に建設されないのが暗黙の了解です。JRとしては難工事の末、真上にモノレール駅が出来てもメリットはありません。近くても離れていても、JRへの乗り換え客には違いありません。
 ただでさえ混雑する駅構内に新たな動線を増やしたりすれば、混雑はひどくなる一方です。そんなわけで、モノレールの駅は北か南のどちらかに避ける必要が生じました。
 あるいは市ぐるみの再開発でつくった商業施設の近くにモノレールの駅があると好都合だと思ったり。

 絞りきれなかった結果、JR駅の北口と南口の2箇所にモノレール駅が設置されました。JRの駅とぴったり隣接していない不便さはありますが、2駅のどちらかに行けばいいのですから駅周辺からのアクセスは良好です。
 ターミナル駅が2箇所に分散していると、混雑も分散されて、列車の運行もスムーズでしょう。

 ただし、毎日使う人にとって乗り継ぎの距離は100mでも短い方がいいはず。乗客への配慮はいつも後回しになってしまうようです。

バイパスルートは造らず−大曲

 秋田新幹線は新幹線の風格が感じられません。山形新幹線は国鉄時代奥羽「本線」という元幹線だったのですが、秋田新幹線は田沢湖線というローカル線だったのです。急な曲線の単線区間を走るさまは新幹線とは思えません。

 さらに驚いたことにスイッチバックがあるのです。大曲駅は、奥羽本線にある田沢湖線の分岐駅です。盛岡から来た「こまち」は、この大曲駅で進行方向を変え、秋田方面に向かうのです。残り30分程度のことですから乗客はシートの向きを変えたりしません。乗客は、後ろ向き流れる風景を眺めながら秋田に到着するのです。いい気分ではありません。
 「こまち」は、古いタイプの車両と違い、すべてのシートが進行方向を向いてくれる素晴らしいシートです。「後ろ向き」シートから解放されると思ったら、今度は「後ろ向き」走行です。

大曲のスイッチバック

 大曲にこそ二俣新町のような渡り線を設けてくれるとありがたいのですが、地元の声はそうはさせてくれなかったようです。
 もちろん二俣新町のようにホームもなく「通過」ということはあり得ないでしょうが、渡り線に新駅をつくるということも合意を得られなかった様です。
 在来線の駅より離れたところに駅をつくっても不便で仕方がないというところでしょう。
 ここでも乗客の気持ちは、後回しのようです。

 マクロな視点では、

 しかしミクロな視点で見ると、

 私たちが良く目にするのは、どちらかというと「マクロの視点」で表現されたものになりがちです。例えば、実現への構想段階ならば「構想図」、わかりやすく説明するための「概念図」などです。マクロな視点に目を奪われるとついミクロな視点でのデメリットも見過ごしがちになりますから注意が必要でしょう。

(初出00.07.30)
(再編集03.08.25)

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