予定は手帳の上を転記されて、実現されると考えるのです。
8週間のスケジュールが一目で見られるという超整理手帳の週間シート。記入欄のサイズは週間予定サイズですが、横方向につながっているので、ずいぶん先の事も記入できるというのが特徴です。普通の手帳だと長期予定表から短期予定表に転記するという手間があり、転記ミスの危険や煩わしさがあります。長期予定表と短期予定表に違う予定が書き込まれるダブルブッキングの危険もあります。考案者の野口氏はかなり先の予定まで日時を決めて予約を入れる多忙な方で、必要から生まれた手帳のようです。
先の予定が明確でない私はそれほど必要を感じません。仕事上では案件毎にスケジュール表を持っていますが、まだ企画段階の予定は変動が激しいので、確定した予定と一緒にしたくありません。そんなわけで超整理手帳にも用意されている月間シート1枚あればよく、週間シートは直近の1ヶ月分程度で充分なのです。
月間予定表と週間予定表を併用すると問題となるのがダブルブッキングの危険です。「来週の予定は月間予定表に書くのか週間予定表に書くのか」という最初のステップで、行き詰まってしまうのです。他の人はどの様に対処しているのかネットを探してみますと、月間は個人用として割り切るなどいろいろ活用方法がありましたが、私の結論は役割を分けず期間で分けることとしました。
来月の予定は月間予定表に記入し、今月の予定は週間予定表に記入するのです。そして月末になったら、来月の予定を週間予定表に転記します。量が少ないので、転記に1分とかかりません。転記後は、転記した月間予定表の使用を禁止となります。
なお月間予定表は捨ててしまわず1行日記の記入場所として活用しています。
日常、週間予定表に順次予定を入れていきます。作業の締め切りなど予定が決まったら、それに必要な作業を週間予定表の適当な日に入れておきます。あまり細かく考えると悩みますので、この辺にというおおまかな記入です。ひとつの単位を1時間くらいにまで細かく分けることができれば、所要時間の把握ができてより効果的です。
そして前日、エクセルで自作の「日予定表」(1枚1日)に明日の予定を転記します。この「日予定表」を普段は超整理手帳のホルダーに入れて持ち歩き、職場では広げておいています。月間予定表から週間予定表へ転記の際は少なかった項目ですが、前日ともなると増えています。
転記作業は帰宅時の電車の中で行っていますので、あらかじめ翌日分の日予定表を超整理手帳ホルダーに差し込んでおきます。週間予定表に書かれている項目を日予定表の中の「時間配分」欄に記入します。勤務時間(残業を含め)分のます目(1時間単位)がありますので、ひとつずつ埋めていきます。打ち合わせなら、当然往復の時間も考慮しておく必要があります。
予定の時間をオーバーしているようであれば、差し支えないものを後回しにし、週間予定表のあさっての欄に忘れずに転記しておきます。こうして前日の内に明日の行動を確認しておくのです。
日予定表の構成はこのようになっています。前日に転記した時点では「時間配分」欄と「約束予定」欄が埋まっている状態です。
日予定表全体
一発で予定は決められません。「時間配分」欄に記入した作業は、作業順を決めたわけではありません。配慮しながら記入も出来ますが、基本的にはTODOリストの様なもので、順不同です。
当日になって
これらを予定変更と呼んでしまってはやる気が減退です。特に3番目については、いいことをしているのですから、積極的にやりたいのです。そこで順番の入れ替えを実行計画と名付けましょう。特別なことでなく、TODOリストを作業順に並べるという感覚です。
実行計画欄の効果は、作業の進捗を客観的に確認できることにあります。TODOリストのチェックだけだと、時間がどのくらいオーバーしているのか把握のしようがありません。実行計画欄に入れていけば、時間がオーバーしたことが即座にわかり、対処を考えることができます。
実行計画欄への記入
青字(本来手書き)で書いた例では次のようなことが展開されています。
超整理手帳のホルダーにあうリフィルを自作しています。下記のリンクよりダウンロードしてください。エクセルデータは4枚のシートで構成されています。
techo.xls[excel形式68KB](右クリックで対象をディスクに保存して下さい)(ref/8020/techo.xls)
週間予定表と月間予定表は休日に対応していませんので、ご注意ください。
オリジナルリフィルを中心としたタスク管理に少々窮屈さがあり、スマホの普及も後押しして、スケジュール帳の構成が変わりました。
紆余曲折あったのですが、ウィークリー機能は超整理手帳の市販版を購入、デイリー機能はB5サイズノート、マンスリー機能はスマホアプリに移行しました。
手書きは記入が容易で、思考の整理にも役立つというメリットがあります。 そんなわけでB5サイズノートに思いつきを記入しながら仕事を進めているのです。
ほとんどの情報はその場限りで不要となりますが、転記するほどでもないけれど、捨てると言い切れない情報も残ります。こういった情報は早々にEvernoteへ転記です。文字の入力が面倒ならスクリーンショット、さらにかなり可能性が低ければ日付だけでも入れておくと数珠つながりで役に立つこともあります。
(08.02.25)
自分の行動を客観的に監視しよう。
前回紹介した超整理手帳(特に日予定)は、今日やるべき事を列挙してくれます。しかし、作業を進めるにあたっては、更に細かい手順を書き込んでいく必要があるでしょう。処理すべき手順の数がどんどん増えて混乱する前に、紙に書き出しましょう。最初は超整理手帳の日予定にメモ書きをすることで良いのですが、スペースを気にせず書けるよう、早めに別紙を用意しましょう。
かつてバラエティー番組で「未来日記」というコーナーがありました。役者は日常生活において、日記に書かれたとおりに演じていくというものです。恋の告白をすると書かれていれば、勇気を振り絞って実行しなければなりません。
この手のストーリーは、ドラマにも取り入れられ、他人が書いた日記の内容が現実に起こってしまうという恐ろしい道具として扱われています。
未来日記は、実際にドラマだけでなく、自己実現のツールとしての活用法が謳われています。手帳に「目標を書け」というものです。
手帳に予定を書くという時点で、一種の未来日記を書いているのと同じ事でしょう。事実、「他の約束を入れないようにする」という機能が、予定を実現するための重要な役割をになっています。
「書いたら実現する(しやすい)」という機能を普段の仕事に活用したいものです。そこで「超近未来日記」というものを考案してみました。考案したという程のものではなく、名前を付けてみただけのことで、単に普段の心がけという程度のことです。私のオリジナルというわけでなく、下記のリンク先などを参考に自分なりにアレンジしたというものですから、皆さん無意識に実践していることかもしれません。
大したことはないと言ったとおり、実態は単なる白い紙です。A4サイズの廃紙を横長方向に置いただけです。A4の横置きにするのは、超整理手帳に入れやすいというそれだけです。
最初は、今日1日やることを記入しましょう。手帳などに今日の目標などがあれば好都合です。予定を記入し、それを実現していくので、「未来日記」というわけです。そして、1日というかなり短いスパンの出来事なので「超近未来日記」としました。
予定を左に置いてみる
無理な理想を書いているわけではありませんから、実現の可能性は高いです。1日の終わりに振り返った時、実現した作業が列挙されるわけですから、「今日の日記」といって差し支えありません。
実現のための「こつ」があります。「書いたことのみ実行する」こと、そして「実行するときは書く」ことです。予定を並べた後、神頼みではだめなのです。
予定に、案件Aのレポート作成と目標を書いたとします。でも実際には調べる、下書き、文字入力、校正などの手順があるでしょう。こういった細かい作業が見えたらすかさず「超近未来日記」に記入いくのです。直前とはいえ実行する前ですから、「未来」を書いていることになります。
細かい作業が見えたらすかさず記入
無理に思い出す必要はなく、「実行するときは書く」という感じで作業の直前にメモする程度です。後で必要な作業を思い出したら、忘れずにメモしていくことも大切です。
ひとつ終了したら消し込んでいきましょう。テンポよく消し込んでいけば、はかどっているという達成感が得られます。万里の道も一歩から、全体をみて大変だとげんなりするより、作業中はひとつひとつ積み上げる事に徹する方が、結局はかどるはずです。
消し込んでいけば達成感
「作成」とだけ書いてあったら、何時間かかるかわかりませんが、5つのステップがあれば、1時間×5ステップ=5時間と、見積もできます。これはかなりの進歩です。あまり細かくすると書くのに時間をとられてしまい困りものですが、一気に出来る最小単位にまで分解するのが理想です。
「ちょっとお願い」などと割り込み案件が入って来たときも、一呼吸いれて、割り込み案件を「近未来日記(単なる白紙)」に加えましょう。今やっている作業のどこにどの時点に割り込むのかを明確にすることで、中断した元の作業に容易に戻ることが出来ます。
割り込み案件が二重(割り込み案件B)にも三重(割り込み案件C)にも舞い込んで来たときに、役に立つことが実感できるでしょう。
割り込みもきちんと登録
どれも緊急でない仕事が並んでいるとき、どれから進めようか迷うかも知れません。そんなときもあれこれ考えず、書いてあることを見ながら考えます。
すべてを完了は出来ないでしょうが、ちらっと見るだけでも良いので着手だけはして、その仕事の今日のノルマは完了したことにするのです。
もちろん完了させる方がいいのですが、着手するだけでも、こんなメリットがあると思うのです。
完璧を目指さない
結局、新たな作業は後の方に追加することになりますが、「何もしない先送り」とは大きく違うと思いこみましょう。
先送りどころか、始めるのも億劫な時があります。こんなときのおきまりが、机の整理とか腹ごしらえとか。それから、今やらなくても良いことをあれこれ始めてしまって、後悔間違いなしです。
ここは堅苦しく考えず、まず手を動かすことを優先しましょう。「机の整理」を始め、同時に「やるときは必ず書く」を実践します。
本を片づける、筆記用具を片づける、領収書を整理・・・等々、書いていくうちに、だんだんと作業モードになってきて、自分は一体何をしているのだろうと、我に返れば大成功です。せっかく思いついた、整理の手順ですから、これからの作業の合間に割り振っていきましょう。少しずつなら、息抜きとして作業全体の効率がアップしながらも机の整理が進んでいきます。
とにかく手を動かす
上記の「どれも緊急でないとき」に示したとおり、「作業をちらっと見る」だけでもひとつの作業の完了ということで、どんどん消し込んで行くのも手です。「何もしない先送り」にかなり近いものがありますが、達成感を実感することで、どれか作業が進むということを期待しましょう。
もちろん、残りの作業を今日か、後日のどこかに入れておくことは必須です。後日ではだめだから、今日やるしかないと思えてくれば、ちゃんと実行出来るでしょう。
メモ書きにして、作業が終わったら、消し込んで捨てるということを無意識に実践されていることも多いでしょう。この「超近未来日記」は、それを意識的な手続きとして、より役立つようにしてくれるでしょう。
振り返ってみて、この未来日記。うまくいっているように書いているのですが、割込み案件が来るたびに、あたふたしている実態があったのです。
そこで導入したタスク管理システム『タスクシュート』は、時間の確保を練習する「トレーニングツール」といえるものでした。
導入してからは、1日にやることべきことを漏れなくリストアップできるようになりました。まず1日の始まりは、タスクがあふれるくらいに並ぶタスクを眺めることから始まります。前日までに、タスクの繰り返しの設定や先送りをしているためにリストがすでにあるのです。これにより、自らのミスで、割込み案件を生み出すことがなくなりました。
タスクであふれていて、深夜になっても終わらないので、「先送りできるタスク」は先送りし、現実的な終了時間にします。終了時刻がわかっていると、慌てずじっくりタスクを取り組むことができるのです。
タスクシュートに取り組みと見えてくるのが、生活時間の実態なのです。何もしていないようにみえる日々でも、いつもの習慣で、すでにいっぱいなので、まとまった時間を確保するのは難しいのです。タスクシュートを実行するにあたっては、何かの時間を削りながら、少しづつ割り振るという仕事の進め方が必要になってきます。
(08.11.03)