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[埼玉市ではいけないか]
公募1位の「埼玉市」は退けられた

 「さいたま」市誕生の陰に、見捨てられた市名公募第1位の「埼玉市」。委員会はなぜ退けたのだろう。

Contents
>駅名以上に大変な市名の決定
>市名は全国的な視野からみたわかりやすさが欲しい
>>地元への愛着も考えもの>>「県庁の所在地=県の名称」が基本
>さいたま市に決定
>>(00.03.12)中間発表は「埼玉市」がトップなのに>>(00.04.17)「さいたま市」「大宮市」の2案対決>>(00.04.22)与野市長はこれしかないと「さいたま市」に決定>>市名決定以前から名称変更していたさいたま農協

駅名以上に大変な市名の決定

 浦和市、大宮市、与野市3市合併の「新名称募集」が始まりました(2000.2.18まで)。これは市民以外でもインターネット、はがき等で募集できます。気軽に出来る市民参加ということで私も応募しました。私が推したのは「埼玉市」です。

※募集は終了しました(このコンテンツの初出は00.01.14です。)

 駅名とは違い市名は2+2のような安易な名前は見られませんが、無難であることにはかわりありません。「北九州」という地名はとても壮大です。福岡県どころが、長崎県、佐賀県、大分県をとりまとめる北九というの州庁がある都市をめざすというイメージがあり、そのまちのがんばりを応援したくなります。しかし、最近よくあるひらがな市名(あきる野市とかひたちなか市)は、どうも頼りなく思うのは私だけでしょうか。

市名は全国的な視野からみたわかりやすさが欲しい

地元への愛着も考えもの

 3市住民をはじめ関係者のまちに対する思いを名前に盛り込む意図は強いでしょう。名称を決める委員会では様々な団体の代表者が一堂に会し、それぞれの思い入れを主張することになると思います。たとえば、この周辺のシンボルは見沼なので「みぬま市」だとか、市の花がいずれもさくら(浦和市はさくら草)だから「さくら市」とか。
 しかし、名前はそれ自体に意味があることのほかに、他のものと差別化を図る単なる「記号」という面も持っていることを忘れて欲しくありません。極端なたとえですが、とある国の県庁の所在地の名前を「A」市、「B」市、「C」市・・・とアルファベットの順でつけるというルールがあるとしましょう。「L」市は突然に「私たちはカタカナに愛着がある」といって「ウ」市と全然違う体系で名前を付けてしまっては、他の県民は混乱してしまいます。ルールには従わないといけないわけです。

「県庁の所在地=県の名称」が基本

 そう考えると3市合併後の市名は3市の市民だけでなく、全国レベルの見方で考えたいところです。あの壮大な名前の100万都市北九州市でも県庁の所在地ではありませんでしたが、遠く関東にいる人間にとってもそのわかりやすさは伝わります。そうはいってもちょっとくらい独自性も欲しいですね。「北関東市」ではちょっと壮大すぎると思いますし、「北東京市」では独自性がありません。

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 だから「埼玉」という誰にも否定できない伝統ある名前に落ち着くのです?「埼玉」という名称は「幸魂(さきみたま)」から来ており、その「魂」は古代人が装飾品として大切にしていた「まが玉」から由来しているというのですから、県民にとっては大切な意味のある名前なのですから決して軽視は出来ないのです。そしてひらがなの「さいたま市」ではきちんとその意味を伝承しているとはいえないと思います。

 「県庁の所在地=県の名称」。将来、息子が小学校の地理の時間で、「群馬県−前橋市」 「栃木県−宇都宮市」・・・と苦労している中で「埼玉県」は覚えやすいと言ってもらいたいというのも理由のひとつです。

さいたま市に決定

(00.03.12)中間発表は「埼玉市」がトップなのに

 日本経済新聞の記事で集計の中間発表がありました。(0.3.10) 88.7%の集計分について、「埼玉市」が「さいたま市」を2倍以上の得票数を得てダントツの1位だということです。私の感想としては「さいたま市」が健闘すると見ていたので、みなさんの冷静な判断にほっとしています。5位と6位にそれぞれ「大宮市」と「浦和市」が入っているのはそれぞれの都市の組織票でしょう。いずれにしろまだ小委員会というハードルがあります。審議の中で「目先を変えて」などと無責任な意見をされないよう祈るばかりです。

(00.04.17)「さいたま市」「大宮市」の2案対決

 4月20日国立競技場前までの延伸を機に都営地下鉄12号線に「大江戸線」の愛称名がつきます。昨年11月の選考委員会では「東京環状線(ゆめもぐら)」が最優秀候補であったところ、「環状運転でないのに利用者に誤解を与える」との都知事の意見で変わったそうです(日経0.4.2)。「東京環状線」の方が的確な表現だと思うのですが、何のための公募だったのでしょう。

 一方、埼玉県の3市合併の名称も公募でトップであった「埼玉市」を押しのけて、「さいたま市」(浦和市、与野市の案)と「大宮市」(大宮市の案)の2本建てとなっています。浦和市を目の前にして「大宮市」を主張する大宮市も不思議ですが、公募を無視した「さいたま市」も不思議です。

(00.04.22)与野市長はこれしかないと「さいたま市」に決定

 4月17日、とうとう「さいたま市」に決まりました。公募の集計は「埼玉市」が7117票、「さいたま市」が3821票でした。与野市長は「これしかない」と話していますが、なぜなのか理解に苦しみます。
 「大宮市」という案が通るとは考えられません。結果、浦和市、与野市が推す「さいたま市」となることは自然です。委員会としては丸くおさめるために、あえて「埼玉市」が公募第1位であることは、無視することは、自然でしょう。

市名決定以前から名称変更していたさいたま農協

 さいたま新都心駅は、周辺で行われた市街地開発事業の地区名から由来することで一応納得です。しかしさいたま農協の名称変更は市名決定以前のこと。はじめから公募する以前から「さいたま」に決まっていたのではないかとうがった見方をしてしまいます。

(初出00.01.14)
(再編集03.01.12)

再編集しましたが、内容については3年前に書いた文章のままです。この話題に関する情報、ご意見がありましたら是非お寄せください。

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