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基準は変わらなくとも、工夫は続くのです。
前回お伝えしたように、歩道と車道の間には段差が必要なのです。視覚に障害がある人にとっては大問題というのでは何も言えません。
最近おもしろい歩道の縁石を見つけました。東京の大田区なのですが、表面がきらきらしているのです。どうやら表面がけずられて、コンクリート製品に含まれる砂利の切断面がきらきらしているようです。何のためかとよく見てみると車道との段差をなくすために削っているようなのです。
けずられてキラキラする縁石
歩道と車道の間には2センチメートルの段差が必要だと思っていただけに、いつの間にか世の中は移り変わったのかと目を疑ったところです。
ネットを調べてみますと私の浅学さが浮き彫りになった状態です。そもそも「道路の移動円滑化整備ガイドライン」に記載があった、2センチメートルという段差の規定は、かなり以前から決められていたようです。そして車椅子の利用者にとってはやっかいな段差として長年の課題だったとのこと。
車椅子利用者が段差なしを望み、視覚に障害がある人が2センチメートルの段差を望むという狭間で自治体によっては独自に工夫を施してきました。そのひとつの解決策が横から見ると三角形の縁石です。これなら車輪はスムーズに乗り上げることができますし、きつい傾斜を利用して視覚に障害がある人にもなんとか認識できるようです。
横から見ると三角形
写真は埼玉県戸田市で見た事例です。ギザギザの突起が段差を認識させる工夫ということでしょう。
段差ゼロの縁石
たしか、2年前に「ガイドライン案」を見たときは、あっさりと当たり前のように2センチメートルの段差の基準が書かれていました。しかし今回パブリックコメントなどの意見を集約して、修正された「ガイドライン案」では「安易に0 の段差として視覚障害者の識別性を確 保されていない事例がある」と苦言を呈したうえで、上記のような提案を例として取り上げられています。
「横から見ると三角形」方式では不十分と見たのか、切り開き型(私が勝手に名付けました)というのも、いくつかの自治体にて考案されています。車椅子の車輪が通れるように縁石の一部を切り欠くというものです。
2センチメートルの段差はこちらの方式の方がより実感できるでしょう。
(04.06.28追加)
後日板橋区にUD(ユニバーサルデザイン)ブロックがあるというので見に行ってみたところ、写真のように元に戻っていました。
板橋区のウェブサイト(現在閉鎖)によると、利用者の意見を聞いて現在改良中だとのこと。
ちょっと周りを見渡すと視覚障害者が認識できるのかちょっと疑問な「段差ゼロ」の歩道がちらほらみられます。段差とスロープを両立させたこのタイプのブロックが早く復活することを願っています。
冒頭にあげた、単に縁石を削るというものから、緻密な計算に基づくブロックの開発まで様々ですが、確実に歩道と車道の間はスムーズな行き来が実現されつつあるようです。
(05.01.16追加)
しゃれたデザインも見かけます。材質が石みたいなのもしゃれてますが、ブロックの部分は、厚さを薄くしながらも、切り下げ部分はゆったりとした勾配が確保できるように幅広になっています。これからはこんなのが主流になるのでしょうか。
(06.08.14追加)
リンクに取り上げました小平市の事例を見ることが出来ましたのでちょっと撮影。
横断歩道の真ん中にありました。
ちょうど車椅子の車輪が通れる幅のようです。
別の場所では色が付いていました。
ここは狭い歩道。ブロックがひとつしか設置されていません。自転車には便利ですが・・・。
設置箇所は歩道の巻き込み部分(曲線部分)が多いようです。進行方向に対して斜めに乗り入れる事になるので、ぎこちないのでは?
(07.08.13追加)
UDブロックを文京区役所前に見つけました。最近整備をした歩道です。UDブロックは普及していくのでしょうか。
(07.09.24追加)
板橋区のUDブロックが消えたと思っていたら、いつの間にかBFブロックとして再登場していました。ウェブサイトによれば、今後の板橋区標準型になるとのこと。
新型というより、神奈川県でよく見かけるタイプです。
(04.05.31)
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