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[ゆずりあう道路]
1.5車線でゆずりあう道路

歩行者が歩くためのエリアだというマーキングが是非必要だと思うのです。

Contents
>路側帯を歩道とは言えないのです
>スクールゾーンはなぜか一方通行
>へびの丸飲み道路でゆずりあう
>住宅地では1.5車線で良いと思う

05.01.16追加

路側帯を歩道とは言えないのです

 近所の道路で路側帯の表示が増えてきました。車にとっては夜道でも道路の端が良くわかり、運転が楽になるという効用があります。しかし、歩行者にとってはあまりメリットはありません。かえって、デメリットですらあります。

路側帯
路側帯

 前回、たった50cmの幅しかない側溝があたかも歩道のように見えて、歩行者はあたかもそこしか歩いてはいけない様な錯覚を与えていると考えました。同様に路側帯も「この範囲が歩道だ」と、自動車の運転者に錯覚させる危険がある境界線なのです。

 この境界線。道路の端から60cmしか離れていません。人ひとり分の幅ですが、「ここまでは車道だよ」と、ばかりに自動車が我が物顔に往来するというのは腹が立ちます。「側溝だけじゃなく、路側帯だって歩道じゃないよ!」と訴えたいところです。

スクールゾーンはなぜか一方通行

 写真はスクールゾーンです。先の路側帯より歩道に見える部分が、1メートルくらいありそうです。しかも緑で着色してあって、堂々とこの上を歩けます。

スクールゾーン
スクールゾーン

 どんどん普及して欲しいのですが、なぜかこのスクールゾーンは、一方通行に限られているのです。緑のマーキングは段差などありませんから、自動車が行き違うときはちょっと緑の部分を踏んでやり過ごせば良いはずです。
 でも理屈は違うようです。車道は中央の4mの部分のみと見なしているので、すれ違い出来ないという理屈です。これはかえって危険な考え方です。運転者は、対向車の無い広い道路を得たことになり、かえってスピードを出してしまうこと間違い無しです。

へびの丸飲み道路でゆずりあう

 そんな矛盾だらけのスクールゾーンを少し改良して、歩行者の居場所を確保できる道路を考えてみました。その名を「へびの丸飲み道路」と呼びます。良い表現が思いつかずにおそろしい表現なのですが、単に車道幅がたまに太くなっていることから、こんな表現としているのです。

へびの丸飲み道路
へびの丸飲み道路

 「へびの丸飲み道路」の太い部分は、すれ違うための待避場所です。この図は幅6mの道路をイメージしたもので、標準部分の歩行者の通行帯は両側2mずつで、車線はたったの2mのみです。もちろん「ガードレール」はありませんから、多少はみだしても問題ありません。歩行者にさえ気をつければ良いのです。そして、対向車が来たらここで行き交う事になります。

 強い強制力はありませんが、相当乱暴な運転をする人でも、車線が狭いということは意識するでしょう。普通の運転者なら、車同士のすれ違いは待避場所で行わないといけないと直感的に判断するはずです。

 歩行者の立場としては、堂々と歩ける空間が幅2mも確保できることになります。

住宅地では1.5車線で良いと思う

 「へびの丸飲み道路」の特徴は、道路にわざと1車線の区間を設けることで、運転者に注意を促すものでした。しかし、この画期的なアイデアは、「すれ違うのに十分な幅員があるのにも関わらず、わざわざ正面衝突をする危険をつくっている」という、批判を受けそうです。
 従来からの「いかに車をスムーズに流すか」という発想から抜け出し、「車に危険な状況を与えて、注意を促す」という発想への転換を図りたいところなのですが、なかなか容易ではなさそうです。

 もちろんいままで進歩がなかったわけではありません。その一例として挙げられるのが「コミュニティー道路」と呼ばれる歩者共存道路で、補助制度も相まって、全国どこでも見られるようになりました。

 しかしまちのいたるところに設置するには至っていません。その理由として、

 要するにいまだに「特別な」道路であって、通過交通に悩む住宅地にどこでも適用出来るものではないということです。

 それに対し「へびの丸飲み道路」は、

と、コストや手間がかからず、簡単に実現できます。近所の道路すべて「へびの丸飲み」としても良いわけです。
 問題は1.5車線(1車線だったり2車線だったり)ということ。このはっきりしない車線数は、白黒はっきりしないとダメな道路行政になかなか受け入れられませんでした。
 しかし、世の中徐々に変化しているようです。国土交通省の予算でも「1.5車線」が出現しました。山間部でどうしても全線2車線確保できない道路に対して、頻繁に待避所を設けることで補助金を認めるというものです。
 この場合は苦肉の策であって、「へびの丸飲み道路」の様に、用地は2車線確保できるという恵まれた条件ではないから、認められることなのですが、「2車線ないと道路ではない!」という発想からの脱却という意味では新たな第一歩といえるでしょう。

(05.01.16追加)

両側通行でのスクールゾーン

両側通行でのスクールゾーンを文京区に見つけました。付近は道路密度が低く、一方通行にするとかなりの迂回をしいられそうです。仕方なく両側通行の様ですが、不都合があるようには見えません。

車は真ん中を走り、行き違うときは堂々とスクールゾーンを踏んで待避する。ただそれだけです。

(初出02.03.29)
(再編集04.01.26)

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