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どこがにぎわうか予想なんて大変なことです。
徒歩や自転車では遠い道のりであっても、自動車でならば田園風景の広がる郊外に行き着くことでしょう。郊外型の店舗はそんな郊外に安い地価と集客力が両立する土地を探し出店します。同業者の思惑は一致し、出店が相次いだ結果、渋滞の名所になるというわけです。
都市計画行政としては同じ土地利用は出来るだけまとめたいと思っています。住宅団地や工業団地なんていうのはそんな発想です。商業施設についても田園地帯に建ててもらっては困るというのが本音で、駅前やニュータウン内に設定した商業地域に集約させるというのが好ましいありかたです。
駅前は地価は高いですが、高いビルを建てられるというのが利点です。
ニュータウンの一角に設定された商業地域は比較的安くはなりますが、贅沢な造成工事や道路、下水道、供給処理施設といたせりつくせりなので、やはり割高です。
しかし、店舗側はそんなメリットはお構いなしに多少不便でも安い土地を求めます。安い土地を自分たちで整備する方が安いという判断でしょう。郊外型店舗は都市計画の裏をかく場所をねらって出店するものなのです。裏をかかれて困るのは道路管理者。郊外だと思って道路幅員を決めていたところが、にぎわってくるわけです。
郊外の道路というのは、市街地の道路と違って、道路幅に余裕がありません。歩道は狭いし、路側帯も最低限です。そんなところに出店すれば入店する車両が減速するようになり、すぐに混雑の原因となります。入店待ちの行列が出来れば、渋滞になってしまいます。出店に際して、セットバックによる道路拡幅を行政が指導することもあるでしょうが、自分の敷地だけでなくもっと手前(つまりとなりの土地)からセットバックしていかないと効果はあまりありません。
都市計画や道路行政に先見の明が無いというのは酷な話です。地価が安いところをねらう店舗の戦略は「裏をかく」事なのです。都市計画で将来の市街地となる箇所の予想をすれば、どうしても地価が上がります。そこを避けて店舗の出店候補となるわけです。
市域全部にわたり、すべての道路を余裕を持たせた幅員にするという考えもあるでしょう。しかし、
こんな風景を見るにつれ、あまり過大な先行投資をするのも考え物だと思ってしまいます。
こうして郊外の幹線道路は、店舗の賑わいを前に慢性的な渋滞に悩まされ、新たなバイパスの計画を余儀なくされる事となります。幹線道路の一生は短いものです。
(03.09.22)
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