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道路幅員の基準は年を追う毎に広くなっていくのです。用地買収が終わった後で基準が変わりでもしたら、不適格道路の建設となってしまいます。
都市計画法に基づいて定められる都市計画道路。この道路幅員にも基準の変化が見られて興味深いところです。
都市計画図を眺めてみると同一地域でも都市計画道路の幅員が様々なのに気づくでしょう。これは、都市計画決定した時期が後になればなるほど広い幅員で決定されているということなのです。2車線道路なら11m、12m、14m、15m、16m、18mというふうに変遷してきているようです。4車線道路なら18m、20m、22m、25m、27mというのが代表的でしょう。(なお4車線道路は、ゆったり型とぎりぎり型があるので、同時期に2種類の幅員が決定されることはあり得ます)
ここで気づくのが幅員18m。この幅員はかつて4車線道路として計画されていたのに現在は2車線として決定されているということ。いまさら18mの道路を4車線とする事はせず、2車線道路として供用される様です。
かつての18m道路は
幅員18mの場合はよかったのですが、11m、12mといった古くに2車線道路として決定された都市計画道路は深刻です。車線をぎりぎりまで狭くするとか歩道を片側にするとか対策を施せば構造令に合致した車道幅員や歩道幅員の確保は可能ですが、補助金が下りてきません。基準が変わって数年は暫定処置として多めに見てくれますが、それ以後は幅員が新基準に満たしていないと言うことで、道路幅員を拡大する都市計画変更ということになります。用地買収が始まっていた路線では、更に外側まで買収しなければならなくなり地元の関係者にとってみれば一大事です。
道路の幅員を細かく規定しているのが道路構造令。この基準が年々ゆったりしてきているのです。走っているバスやトラックの幅が格段に広くなったというわけではないのですが、ゆとりを持っていこうということの様です。
手元にあった資料をちょっとのぞいてみましょう。「道路技術基準通達集−基準の変遷と通達」監修−建設省道路局企画課(ぎょうせい)の中にある「道路構造企画の規定値の推移表から車道幅員と歩道幅員を抜粋しますとこんな風になります。
制定年 | 区分 | 車線幅員(m) 昭和33年は車道幅員 | 歩道幅員(m) |
---|---|---|---|
昭和33年 | 第4種 | 6.5、7.5、9、11、16、6.5×n | 1.5以上 |
第5種 | 5.5、6.5、7.5、9、11 | ||
昭和45年 | 第4種 | 3.25〜3.0 | 1.0 |
昭和57年 | 第4種 | 同上 | 1.5 |
平成5年 | 第4種 | 同上 | 2.0 |
※区分は都市部の一般道路ということで4種を取り上げましたが、1〜3種もあります(1種2種は高速道路等、3種は地方部)。
車道の幅の基準はあまり変わっていませんが、近年計画された道路では、停車帯などとして、路肩部分が広く設定されている様に思えます。
問題は歩道部分で、少しずつ拡大しています。たった0.5mずつですが、いままでぎりぎりでしか計画していなかったのであれば、基準を満たさなくなってしまいます。
ゆったりサイズに基準が変わっていくことも、手放しには喜べません。
(初出00.02.08)
(再編集03.05.19)
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