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[四車線道路を右往左往]
よそものにも教えて欲しい(カーブ編)

はじめての道でも安心して運転できる情報が欲しい。

Contents
>土地勘を要求しないで欲しい
>「警戒」より「情報」を
>「たてまえ」よりも「危険回避」を

土地勘を要求しないで欲しい

 カーブが連続する道は、運転が大変です。競争をしているわけでないのですが、あんまりおっかなびっくりの運転では後続の車も不満が溜まるでしょう。

 カーブの手前でどこまで減速すればいいのか。ここには2つの慣れが必要だと思うのです。

  1. ひとつは、運転の習熟度の意味での慣れです。谷底に落ちるのはいやですから、最初は十分すぎるほどの減速をしますが、だんだん慣れてきて、カーブのパターンに応じて、「適度」な学んでいきます。
  2. もうひとつは、土地勘です。目で見えるカーブは、習熟により克服されていきますが、先の見えないカーブについてはベテランドライバーでもお手上げです。茂みの陰に横断歩道があったりすれば危険ですし、急カーブになっているかもしれません。

 前者は人それぞれ個人差があってしかるべきで、周りの車が初心者ドライバーをあたたかく見守るしかありません。一方後者は、標識を工夫することで、ドライバーの不安を軽減することができると考えます。

「警戒」より「情報」を

 黄色のひし形の標識は、市街地でも山道でもよく見かける警戒標識ですが、「危険があるのはわかったけどどうすればいいの?」という感じの中途半端な標識達です。「動物に注意」といわれても相手は突然やってきます。極めつけは「!」です。何に気をつければいいのか思案しているほうが危ないかもしれません。

 「カーブあり」もその一種です。たまに親切に一言加えてくれていることがあります。図に示した通り「曲線半径」がその一つです。・・・・・・・・・。困りました。50mの曲線半径が時速何キロに相当するのかよくわかりません。「道路構造令」という規則があって設計速度50キロは半径150m以上にしなさい等と決められているのですが、運転中にそのような計算をしていたら、谷底に落ちてしまいます。慣れればこの半径ならこの速度と察しがつくでしょうが、誰でも即役に立つ標識が望まれるところです。

「半径より速度」の図

 いつものアメリカの例で恐縮ですが、アメリカでは「半径」代わりに「速度」が入っています。これは助かります。初めての道路でも過度な減速をさけて「すいすい」と運転できました。若葉マークのドライバーはただでさえ、後続のドライバーにクラクションをならされる運命なのですから、「初心者は少しずつ経験を積み重ね・・・」等悠長なことを言っていないで、こっそりと時速何キロまで出せるのか教えて欲しいものです。もちろん初心者が安全に走行できる速度を。

「たてまえ」よりも「危険回避」を

 次の図は、(ちょっとうろ覚えですが)高速道路で遭遇した標識です。直線部分では左のように普通の速度制限ですが、緩やかなカーブにさしかかった時、右のような警戒標識になりました。どちらも制限速度時速55マイルを示しています。交通規則を守っていれば、直線でもカーブでもみんな時速55マイルで走っているはずです(たてまえ)。でもわざわざスピード違反をしている人のために「お節介」にも注意を促しているのです(危険回避)。

「制限速度に減速?」の図

 恩恵を受けるのはスピード違反者だけではありません。初めてこの道路を通るベテランドライバーが不必要に減速するのを防ぐ意味もあります。見通しの利かない緩やかなカーブを初心者は必要以上に減速してしまうでしょう。そこへ、直線部と大差ない最高速度を示されれば、「ここは55マイルで走れるのだな」とおおぶねに乗った気分です。

 こんな風に、よそ者が安心してカーブを通過できるよう、わかりやすい表示が増えるとうれしいところです。

(初出00.04.22)
(再編集03.07.29)

再編集している現在、速度が表示されたカーブ標識をテレビ中継で見かけました。場所は、岐阜県の山の中の道でした。もし、ご存じの方はお知らせいただけないでしょうか?

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